中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の「海上合同軍事演習-2018」は元々、中国が2015年の中国-ASEAN国防大臣非公式会談で提案しており、それから3年の時を経てついに実施された。
南中国海問題が落ち着いたことに伴って、中国とASEAN各国との間の軍事的な相互信頼が深まり、溝が埋まりつつある。一方、米国が「インド太平洋戦略」を進め、米国、インド、日本、オーストラリアが「4カ国同盟」をつくり、中国の勢いを封じ込めただけでなく、ASEAN地域の安全保障作用を相対的に低下させた。
注目点は、今回の演習が、中国-ASEANの戦略パートナーシップ樹立15周年に当たり、「南海行動基準」が実質的に進展するタイミングで勢いと流れに乗って実施されたことだ。この成果は、歴史性と飛躍性を持ち、中国-ASEANの関係が新たな段階に入る可能性がある。これによって、中国とASEANの政治的な相互信頼が強固になり、安全保障の共通認識が強まり、ルールを共同で構築することが期待される。
政治的な相互信頼の強化。今回の演習は、中国とASEAN各国の政治的な相互信頼が強固になったことを示した。これは前向きな動きで、強化と深化を続ける必要がある。
安全保障の共通認識の増強。「隣国と共に善をなし、隣国をパートナーにする」ことで、中国とASEANがお互いに、脅威となる敵国ではなく地域安全保障を共同構築するパートナーとみなせば、地域内の各国が真の安全保障を手にすることができる。今回の演習は、安全保障を共同で構築する中国とASEAN各国の意識を高めた。