トランプ米大統領が宇宙軍創設を宣言すると、最も激しく反発した米空軍は、宇宙軍の創設にかかる費用は130億ドルを超え、この巨額の出費は「浪費」だと表明した。しかし最新の研究報告書によると、米空軍のこの数値は過大評価であり、米宇宙軍が既存の予算を奪うことへの不満が伺える。米ディフェンス・ニュースが19日に伝えた。
米空軍は今年9月、政府に提出した報告書の中で、この130億ドルという試算を示した。うち宇宙部隊の創設は22億ドル、任務を直接担当する部門と前線で作業する部門の設立は72億5000万ドル、地上の軍用インフラの建設は18億ドル、作戦の指揮は10億ドル。ヘザー・ウィルソン空軍長官はさらに宇宙軍創設の名義で、空軍に毎年180億ドルの予算を追加するよう求めた。この天文学的な数字は国会議員の懸念を引き起こし、直ちにトップ記事になり、「トランプ氏がなりふり構わず宇宙軍を創設」と喧伝するための有力な証拠になっている。
ところが米シンクタンク、戦略国際問題研究所の防衛予算分析担当ディレクターであるトッド・ハリソン氏による最新の研究報告書によると、米空軍が発表した多額の試算には現在の各軍種の宇宙軍事予算が含まれており、かつ増員枠と人件費が過大評価されているという。
ハリソン氏によると、宇宙軍は主に各軍種の既存の宇宙勢力でつくられる。未来の宇宙軍は、大中小のいずれかの規模になる可能性がある。小型宇宙軍は第14空軍でつくり、人数は2万7300人で、予算は115億ドル。中型宇宙軍は陸軍第1宇宙旅団、海軍宇宙事業局、海軍衛星作戦センターを追加し、人員は3万5800人で、予算は134億ドル。大型宇宙軍はさらに陸軍第100ミサイル防衛旅団、国防情報システム局などの部門を追加し、人員は4万8500人で、予算は215億ドル。しかし上述した予算の96%はすでに米軍の各軍種の既存の予算内に入っており、追加する必要はない。そのため今後5年間の宇宙軍創設にかかる費用が、30億ドルを超えることはない。米国防総省のパトリック・シャナハン国防副長官も、宇宙軍創設の初期費用が50億ドルを超えることはないとしている。また米空軍は宇宙軍の平均年収を17万5000ドルとしているが、これは米軍の平均である3−6万ドルを大幅に上回っている。報道によると、米空軍が意図的に宇宙軍の予算を過大評価しているが、これは宇宙軍の創設に反対し、ボイコットするためだ。これは宇宙軍が米空軍の110億ドルという予算の一部を奪うからだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年11月22日