1980年代末に私は初めて中国を訪れた。大連から瀋陽までの列車の沿線は、見渡す限り果てしないトウモロコシ畑と平原だった。私は当時、牛車が成都空港をひっきりなしに行き交い、忙しく旅客の荷物を運ぶ光景を目にした。これまでに私は中国を百回以上訪れた。今なおありありと目に浮かぶ往事を振り返ると、なおさらに、中国に生じた天地を覆すような変化に感慨を覚える。(文:李煕玉・韓国成均中国研究所所長。人民日報掲載)
過去40年で中国は急速な経済成長を遂げ、世界第2の経済大国となった。中国は国際社会の中心へと近づいている。中国の国民が国への誇りを強めるにともない、中国は文化的自信も強めている。中国の改革開放が成功した要因は検討の価値がある。第1に、漸進的改革を堅持したこと。中国は「まず試験を行った後に拡大」というモデルを選択した。第2に、「ちりも積もれば山となる」を堅持したこと。つまり経済特区から沿海の開放地区へと進め、内陸をつなぐ「点・線・面戦略」を採用するなどし、量的発展から質的発展への移行を実現し、ノウハウを蓄積した。第3に、思想の解放を堅持し、一般大衆が改革開放が自らの問題を解決する重要な突破口であることを認識し、能動的な中心的パワーとなったことだ。
中国の改革開放が40年間歩んできた道には、外国にとって参考となる経験が少なくない。第1に、中国の経験は政治的安定にとっての有効な産業政策の重要性を途上国に明示した。有限の社会資源を有効配分する長期的国家戦略の必要性を先進国に明らかにした。改革の深化を重視し、強大な政治的指導力を維持することの重要性を、中所得国の罠に陥っている国々に証明した。第2に、腐敗と特権の蔓延を前に、腐敗対策の取り組みを推し進め続けることが極めて重要だ。
災いや困難を他国に押しつけ、衝突し、対抗する冷戦思考であってはならないことを、われわれは認識する必要がある。保護主義を阻止し、開放的時代を開くことは、世界への重要な貢献だ。開放は自国にとって有益であるのみならず、地域と世界にとっても一定の助けとなる。「一帯一路」イニシアティブ、アジアインフラ投資銀行(AIIB)などはこの点に基づき地域と世界の経済に貢献している。
多国間主義、対外開放、貿易の自由化は大勢の赴くところだ。中国の改革開放は全世界にとって重要な意義を持つ。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年12月19日