ロイター通信の報道によると、日本に駐留する米軍のミサイル駆逐艦「マッキャンベル」は11−16日にかけて、アジアを巡回訪問中のフリゲート艦「アーガイル」と南中国海で、通信及びその他の訓練を行った。「共に関心を寄せる安全優先事項を処理」したという。米英海軍が南中国海で演習を行うのは近年初で、安定しつつ好転する南中国海情勢に不安定要素を加えた。
米国にとって、この訓練は中国を「戦略的競争相手」と位置づけ、南中国海で軍事的な存在感を強め、中国に対する軍事的けん制を維持する具体的な動きだ。米政府は政府機関閉鎖など国内の問題への対応に追われているが、中国の発展に対する戦略的な懸念が依然として深まっている。米国防情報局は15日に「中国軍事力報告書」を発表した。同報告書は事実を無視し、冷戦的な考え方とゼロサム的な思想が満ちている。中国の発展の道、戦略的意図、国防建設を勝手に憶測・論評し、「世界各地で動きを活発にする中国の軍事力に今から備えなければならない」と判断した。同報告書の発表前、シャナハン米国防長官代行は新年早々の内部会議にて、中国への警戒を求めた。今回の訓練に参加した「マッキャンベル」は1月7日に、西沙諸島沖でいわゆる「航行の自由作戦」を実施したばかりだ。
今回の行動は英国にとって、2018年以降の南中国海における「存在感アピール」の継続だ。英議会下院は今月15日、大差をつけテリーザ・メイ首相によるEU離脱協定を否決し、政権に大打撃を与えた。内閣不信任案はかろうじて否決となったが、EU各国は協定内容の再交渉を拒否している。英国のEU離脱の先行きは不透明だ。このタイミングでの軍事訓練は、英国が世界の大国として、アジア太平洋事業に参与するゆるぎなき決意を持つことをアピールした。その一方で、英国の国際同盟には、主に米国とEUが含まれる。EU離脱でEUとの関係が緊張するなか、米国に足並みを揃え、アジア太平洋で同盟国を実質的に支持することで、米英の特殊な関係を維持する必要があった。