豪ABCは29日にスクープとして、豪海軍のパイロットが南中国海を飛行中、「中国の漁船からのレーザー攻撃」を受けたと伝えた。中国側の専門家は同日、環球時報のインタビューに応じた際に、「真相は豪州のヘリが過度に低空飛行し漁師が影響を受けたため、後者が照明で照射したということだろう」と述べた。中国側は30日未明現在、関連情報についてコメントしていない。
ABCによると、豪海軍のヘリが先ほど夜間飛行中に「特定方向に向けた攻撃」を受け、パイロットの身体検査のため母艦に引き返したという。この情報はその後、豪国防省によって確認された。豪軍の関係者は「海軍ヘリへのレーザー攻撃は漁船からのものであるが、この船が中国の国旗を掲げていたかは確認が取れておらず、またレーザーを使用した原因についても不明だ」と述べた。報道はパイロットが身体検査を受けた原因について説明せず、またヘリが攻撃を受けた場合の詳細な点についても明らかにしなかった。
豪メディアの報道によると、上述した事件が発生した当時、豪海軍は海上演習を終えようとしていた。米CNNは29日、豪戦略政策研究所の学者が掲載したブログを引用し、「豪ヘリが漁船の上空を通過した際に、レーザー照射を受けた。医学的な見地から、パイロットは母艦に一次帰還した」と伝えた。この学者は自ら本件を目撃したわけではなく、豪パイロットから南中国海で任務遂行中に商業レーザーを何度も照射されたと聞いたという。CNNによると、漁師は海上で通常、その他の船舶に接近しすぎないようレーザーで警告する。しかし上述した学者は、「南中国海には船舶の直接的な脅威となる航空機はなく、漁師によるレーザーの警告は意図的なやり方だ」と述べた。情報によると、豪軍関係者は同氏の報告について調査を行っている。
中国側は30日未明現在、関連情報についてコメントしておらず、事件の真相及び詳細な点が明らかになっていない。複数の匿名の専門家は29日、環球時報の記者に対して、技術的に考えると漁船がレーザー照射を行うことはありえないと分析した。
海軍研究院の張軍社研究員は29日、環球時報のインタビューに応じた際に次のように述べた。
豪メディアの関連報道における中国に対する批判は明らかに憶測と捏造であり、豪州の関係者は発言の信憑性に責任を負うべきだ。これらの船舶が中国の国旗を掲げていたか確認できず、関連する証拠を提供できない状況下、中国の漁師からレーザー攻撃を受けたと憶測するのは非常に不合理だ。
上述した学者が所属する豪戦略政策研究所は数年前に報告書を発表し、中国脅威論を喧伝し、豪州の最大の脅威は中国だと称した。そのため関連事件の信憑性は低い。豪メディアの報道の主な目的は、米国と協力し中国脅威論をこしらえ、豪州が南中国海問題に介入し、南中国海における軍事的存在感を高めるための口実を作ることにある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月30日