世界経済の懸念は現在、心理的なレベルで多く示されている。国際原油価格の低下が続き、金価格が記録更新を続けていることは、リスク回避の心理の現れだ。危機が直ちに訪れることはないが、2019年下半期より懸念が現実に変わり始める。世界経済情勢はすでに、各国が共に苦難を乗り越えることができなくても、マクロ政策の調整をすべき時を迎えている。
2008年の世界金融危機により、金融システムが世界的な焦点になった。G20はこれによりG8に代わり、各国が心を一つにして危機に対処し、グローバルガバナンスメカニズム改革を推進する場になった。G20がなければ、今日の世界は大きく異なっていただろう。先進国、発展途上国、新興市場国の最も影響力ある参加者が集まり、共に苦難を乗り越え、世界経済の強靭でバランスの取れた持続可能で包括な成長を推進することがG20の初心だ。世界経済が厳しい試練を迎える時、G20は初心を忘れず、共同の目標と任務のため力強い声を出すべきだ。各国は連携し比較的一致した政策を打ち出し、心を一つにして貿易戦争、保護主義、安全審査、自国中心を含む一国主義的な行為に対応するべきだ。各国は世界経済環境の安定に取り組み、担うべき責任を担い、起こりうるシステマティックリスクをコントロールする。自国の問題を自国で解消し、自国の問題を外に押し付けず、他国のせいにしない。各加盟国は心を一つにして協力し、世界経済の急激な低迷を回避するべきだ。(筆者・陳鳳英 中国現代国際関係研究院研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年6月21日