香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は30日、「香港地区の当面の急務は、暴力を停止し、秩序を回復することだ。特区政府は社会が落ち着きを取り戻すのを待って、それから社会の深層問題の解決と対外連携の強化に力を注ぎ、経済を復興させる」と述べた。新華社が伝えた。
英国「アジア・ハウス」は同日、香港地区で経済貿易会議を開催し、林鄭月娥長官が出席して基調演説を行った。林鄭長官は、「6月からエスカレートし続けている暴力によって香港地区の経済は損失を被り、その被害は観光業や小売り、飲食、運輸など多くの関連業界に及んでいる。そのうち観光業では、今月前半の観光客数が前年同期比で約半数にまで減少する事態となった。小売り業では、8月の単月小売り総額が前年同期比で統計開始以来最大の減少幅を記録した」と指摘した。
林鄭長官は、「いかなる理由でも暴力を正当化することはできない。我々の当面の急務は、早急に暴力を停止させ、法治と秩序を回復することだ」とした。
また林鄭長官は、「香港警察と特区政府の各部門は力を合わせて暴力停止と混乱抑制の目標に向けて努力している。社会が落ち着きを取り戻せば、特区政府は直ちに4ヶ月余りにわたるデモで浮き彫りになった深層問題の解決に力を注ぐ。また、特区政府はASEANや英国との経済貿易関係の強化を含む対外連携の拡大にいっそう努力し、さらに金融やサービス業、革新科学技術などにおける自身の優位性を発揮し、積極的に粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)と『一帯一路』建設に加わり、香港地区が世界の経済貿易において重要な役割を果たし続けられるようにする」と述べた。
特区政府はすでに3回にわたって総額200億香港ドル(1香港ドルは約13.87円)の経済救済措置を打ち出し、苦境にある中小企業を支援している。林鄭長官は、「これらの救済措置を香港地区が現在抱える問題の解決策と見なすことはできない。問題解決という目標を本当に達成するには、『一国二制度』や法治など香港地区を成功に導く原則を堅持しなければならない」と述べた。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年11月1日