ネット上の有名人とは、どれほどの人気者なのだろうか。美食動画配信者の李子柒さんが海外で注目され、熱心に議論されている。海外の動画サイトで、この四川省の女性は数百万人のフォロワーを持つ。その動画は100万回、さらには1000万回も再生されている。
彼女はなぜこれほど人気があるのだろうか。まずは彼女の作品を見てみよう。3月に桃の花が開き、これを使い酒造りをする。5月にはビワが熟し、これを使いお菓子にする。紙を手作りし、蚕を飼い糸を作り、美しい家庭料理を作る。李さんの動画は中国の農家の衣食住を材料とし、光と影の間に炊煙と田園の雰囲気が漂う。動画の農村生活は親しみやすく、実感がこもっている。古典的な印象を受けるが、これを現代的に表現する。
すべての物、料理、風景が生活のさまざまな味わいを物語っているようだ。勤労、勇敢、友愛、自立、自然愛などの理念が静かに流れ、視聴者の心を温める。これは生活にあふれる詩、ヒューマニズムの叫びであり、人々の美しい生活への憧れと熱意を示す。そのため肌の色と使う言語が異なる人々は、李さんが語る中国のストーリに共感・共鳴する。人の心を揺さぶる力は永遠の架け橋だ。
世界は今日、東を向いている。人々の注目のなか、李さんの動画は繊細で一風変わった窓を開き、多くの彩り豊かな窓と共に世界に多元的で美しい現代中国を示している。
中国の美には、大砂漠の雄大さ、小川のような静けさがある。現代都市のイルミネーション、それから農村でゆらゆらと立ち上る炊煙がある。目にも留まらぬ高速列車、それからお茶をゆっくり味わうスローライフがある。漢学者の寇志明が「中国は大きく複雑な国であり、中国を理解する近道はない」と言っているとおりだ。
世界に全面的で立体的で真実の中国を理解させるため、多くの人々が各自の力を発揮し、自らの手段により世界に「私が立っている場所が中国だ」と告げている。600年の歴史を持つ故宮は文化財に命を与え、文化を流行の波に乗らせ、世界に中国文化の生命力と革新力を実感させている。「滇西小哥」と名乗る雲南省の女性は、自らの手で作った食材を使った雲南省の料理を撮影することで、世界に雲南省の味を届けている。70代の博物館ボランティア解説員、ネット上で有名な胡昇さんは、ライブ動画配信により40年の改革開放が市民生活にもたらした大きな変化を物語っている。
インターネットの時代、文明の交流と相互参照により多くの担い手とルートが生まれ、より幅広いプラットフォームが備わった。差を乗り越え、隔たりを解消し、人と人の距離を縮めることができる。我々はより多くの「李子柒」、質感と温もりのある多くの良きストーリーにより、多くの人に中国を理解し愛してもらうべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月15日