中東情勢の悪化は誰の利益にもならない

中東情勢の悪化は誰の利益にもならない。イランのイスラム革命防衛隊は8日未明、米軍の駐留するイラクの軍事基地2カ所に向けてミサイル数10発を発射した…

タグ:イラン イスラム革命 防衛隊 イラク

発信時間:2020-01-09 14:32:17 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

イランのイスラム革命防衛隊は8日未明、米軍の駐留するイラクの軍事基地2カ所に向けてミサイル数10発を発射した。米国防総省は直ちにこれを認め、対応を検討していることを明らかにした。国際社会は湾岸情勢の緊張激化を憂慮している。攻撃に対する米側の次の対応が、情勢の行方を決定する鍵となる。

米国とイランの対立は連日激化しており、湾岸情勢の行方は予測困難だ。各国の専門家は「米側の軍事的な冒険行為は国際法に違反しており、イランとの和平交渉の道を閉ざし、戦争勃発の危険性を高めたし、中東情勢の不確定性も増した」と指摘。これに対して国際社会は、情勢がエスカレートし続けないよう自制を保つよう各者に呼びかけている。

グテーレス国連事務総長はイラクのサーレハ大統領と電話会談して、地域情勢のエスカレートが世界全体の平和と安全を脅かすことへの深い懸念を表明。「危機に対処する際には自制を保たなければならない」と各者に促した。サーレハ大統領は「イラクは衝突を遠ざけ、地域・国際平和の舞台となることを望んでいる」と表明した。サーレハ大統領は8日、イランによる同日のミサイル攻撃を非難し、自制を保ち、対話を優先し、地域を戦争に引き込まないよう各者に呼びかけた。

ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は8日の共同声明で、中東情勢の緊張激化に「深い懸念」を表明し、「米国による1月3日の行動は『この地域の安全と安定を破壊した』。イラクの連合軍基地に対するイランによるミサイル攻撃にかんがみて、ロシアとトルコはいずれの側による武力行使も中東の複雑な問題の解決策を見出す助けにならないばかりか、新たな動揺のサイクルを招くうえ、最終的にいずれの側の利益も損なうと考える」とした。また、外国の干渉と一方的な軍事行動に一貫して反対していることを強調し、関係各者に自制を促した。

フランス政府は7日の声明で、マクロン大統領がイランのロウハニ大統領にイラク・中東情勢の緊張激化への重大な懸念を表明したことを明らかにしたうえで、地域情勢の緊張緩和に尽力することを表明した。マクロン大統領はイランに対して、自制を保ち、情勢をさらにエスカレートさせる恐れのあるいかなる措置も回避するとともに、イラン核合意における約束の履行をできるだけ早く再開するよう呼びかけたという。

これについて、上海外国語大学中東研究所の劉中民所長は「今回イランが米国に対して行なった軍事的報復は、総合的に見て象徴的意義の方が大きい。1つには派手な報復行動によって民衆の怒りに応えようとしたものであり、もう1つには米国とイランが互いにレッドラインを探る1つのプロセスでもある。だが現在の発展の趨勢を見ると、双方は自らの利益を考慮し、いずれも正面切っての戦争は望んでいない。次の段階では『相手が行動したからこちらも行動する』形の報復が起きる可能性が排除できず、『冷たい対立』や時折生じる『限定的衝突』が常態となるかもしれない。だがやはり互いにレッドラインは堅く守り、大規模な戦争に向かうのは回避する」と指摘する。

注意すべきは、2018年に米国がイラン核合意からの離脱を宣言して以来、米国・イラン両国の駆引きがエスカレートし、互いに相手国のレッドラインに挑戦し続け、「戦争瀬戸際」政策を弄していることだ。ソレイマニ事件以降は、さらに白熱化し、もろい均衡が打ち破られ、相互不信が急速に深まっている。双方の危機処理能力が強く試されることになる。また、中東地域における核不拡散の問題もさらに複雑化する。米国・イラン両国の地域の同盟国も混乱に陥り、安全保障上のリスクへの対処圧力がにわかに増大する。

中国社会科学院西アジア・アフリカ研究所の唐志超政治室長は「米国とイランの対立がエスカレートすることで、中東地域の動揺が激化し、地域情勢の推移における不確定性が増す。双方の戦闘はイラク、シリアなどで繰り広げられる可能性があり、サイバー空間や無人機など非伝統分野で繰り広げられる可能性もある。これは過激派組織『イスラム国』や『アルカイダ』などに息を吹き返す機会を与え、本来はすでに好転していた地域のテロ対策情勢に新たな変数を加えるかも知れない」と指摘する。

米国とイランの対峙のエスカレートは、世界の経済発展と平和・安定にも重大な影響を与える。すでに国際石油市場に衝撃が走り始め、国際エネルギー市場への供給が脅かされている。主な危険性は▽イラクの石油の生産・輸出が脅かされる恐れ▽米国とイランによるイラクでの衝突が湾岸地域へと拡大する恐れがあり、ペルシャ湾で商船が再び攻撃される可能性を排除できないこと――から来る。米国とイランの対峙のエスカレートは、米国の世界戦略及び大国との関係、大西洋を跨ぐ同盟国間の団結、国際軍備管理などにも重要な影響を与える。両国の対立が激化するに従い、国際社会によるイラン核合意の維持は一層難しくなる。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年1月9日

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