そのため中国による米国製品の輸入大幅拡大の実現は、米国にとっても挑戦となる。これは米国にとってより大きな挑戦とも言える。米国企業が真剣に取り組まなければ、トランプ大統領の交渉チームも彼らを救うことができない。
また中国経済が減速するなか、市場には輸入拡大を受け入れる余地があるかと懸念する声もある。これについては中国が自ら努力しなければならない。中国では過去数年に渡り、消費の伸び率がGDP成長率を上回っている。我々は今年と来年、消費市場をさらに拡大しなければならない。中国経済が正常かつ良好な運行を維持すれば、輸入が今年4%拡大したとしても十分に受け入れることができる。さらに今年と来年、人民元対米ドルレートが上昇する可能性が高いため、米国からの輸入拡大がより容易になる。
中米の第1段階の合意を見ると、これは中国の改革開放の大きな方向と一致している。中米の貿易バランスを促進するほか、知的財産権の保護を強化し、海外からの投資により有利な環境を作る。これは中国の対外開放の揺るぎなき方向だ。貿易戦争は圧力であるが、我々はこれを極力、全面的な改革開放の深化の動力にしなければならない。閉鎖と保守は中国にとって総合的なリスクを生む。対外開放を拡大するほど、自国の改革を促すことができる。
それならば最初から米国のすべての条件を飲んでいれば良かったのではないか、とする声もある。このような問いかけは非常に幼稚だ。中国は米国の貿易戦争に対抗した22カ月に渡り、中国にハイテク技術を捨てさせようとする米国に反撃し、その勢いをそいだ。米国に中国が侮れないことを教えた。EUも日本も米国とこれほど激しい駆け引きをする度胸・能力がない。これにより米国の過激な対中政策が、中国から強い反撃を受けるという見通しが強まる。このような中国への認識がなければ、米国は各分野における中国との価格交渉でコントロールを失う可能性が出てくる。
今日の戦略的位置において、中国は多くの課題に直面する。中国は天を怨み人を責めたり、損得を気にかけたりするのではなく、毅然とした態度で賢明に不確実性の大きな中米関係を処理するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月17日