外交部の趙立堅報道官は3日に北京で行われた定例記者会見について、米国側が「宣伝機関」と認定する中国メディア5社の中国人従業員数を制限するとしたことについて反応した。中国新聞網が伝えた。
記者からは「米国務省は現地時間2日、3月13日より『宣伝機関』と認定する中国メディア5社の中国人従業員数を制限すると発表した。中国側はこれについてどう論評するか」という質問があった。趙報道官は次のように答えた。
米国務省は冷戦思考と価値観の偏見に基づき、謂れなき理由により在米中国メディアに政治的圧力をかけた。中国側はこれに断固反対し、強く批判する。
在米中国メディアの記者は長期的に米国の法律・法規を厳守し、報道機関としての道徳を守り、客観・公正・真実・正確の原則を貫き米国で報道を行ってきた。そのプロとしての働きぶりは社会から公認されている。米国側の中国メディアの記者に対する措置にはまったく根拠がなく、まったく理にかなっていない。
米国側は冷戦思考と価値観の偏見に固執し、「外国代理人」及び「宣伝機関」を認定し、さらには人数制限を口実とし、期限を設定し在米中国メディア記者を事実上「放逐」し、中国人記者への圧力を絶えず強化している。中国メディアの米国における正常な報道活動を強く妨げ、中国メディアの名誉を大きく損ね、両国間の正常な人文交流を強く妨げている。米国側は報道の自由を標榜する一方で、中国メディアの米国における正常な活動に干渉し、横槍を入れている。これは米国側のいわゆる「報道の自由」が嘘であり、露骨な「ダブルスタンダード」、覇権的いじめであることを露呈している。
現在の中米関係の情勢において、米国側のこの措置は両国関係に深刻な悪影響と損害をもたらす。我々は米国側に対して、直ちに方針を変更し間違いを是正するよう求める。中国側は反応し、措置を講じる権利を保留する。
また制限の目的は「対等」の実現と米国側が称していることについて、趙氏は「米国側が対等と言うならば、次の事実を挙げることができる」と述べ、次のように続けた。
まず、中国は在中米国メディア及びその従業員の数の制限を行ったことがない。米国メディアの在中人員の数は米国メディア自身の選択であり、中国の制限の結果ではない。私の知るところによると、米国側は2018年から現在まで、ビザ発給拒否、ビザ発給の先延ばしなどの手段により、中国側の記者の正常な訪米を制限している。昨年以降、少なくとも21人のビザ発給が拒否されている。米国側は今回間違いを重ね、いわゆる人数制限を口実に在米中国メディアの従業員60人を事実上「放逐」するが、これは対等だろうか。
次に、在米中国メディアは9社のみで、在中米国メディアは29社あるが、これは対等だろうか。
それから、記者のビザ制度及び手数料について、在中米国人記者はビザの有効期間内に両国間を何度も往復できるが、米国側は特に在米中国人記者に差別的な措置を講じ、シングルビザのみを発給している。これは中国人記者が任期内に短期的に帰国した場合、さらには家族に会うためであっても、ビザを再申請する必要があることを意味する。しかも手数料は毎回354ドルにのぼり、中国側の2倍以上だ。これは対等だろうか。
さらに、米国側は中国に「対等」を求めているが、他国の在米メディアにも「対等」を求めるのだろうか。
米国側は対等対等とやかましいが、実際には中国メディアへの偏見・差別・排斥だ。米国側が先にルールを破った以上、中国側は付き合うしかない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月4日