米国の新型コロナウイルス肺炎に対する甘い防衛ラインが各所から突破されている。北京時間8日昼現在、米国の感染確定者は445人、死者は19人にのぼる。クルーズ船「グランド・プリンセス」からは21人の感染確定者が出ており、かつ19人が乗員となっている。米国人の間で不安が広がるなか、新たにニューヨーク州が7日、緊急事態宣言を出した。「環球時報」が伝えた。
この状況下、米国の一部の政治家は国内の感染対策の推進に専念するのではなく、中国批判と中国政府への責任押し付けに熱中している。これは米国の感染拡大阻止に対する自信の欠如を反映している。彼らは中国に汚名を着せることで、自分たちエリート層の責任逃れの保険をかけている。
米ポンペオ国務長官は木曜日と金曜日に続けて「武漢ウイルス」「武漢コロナウイルス」と発言した。世界保健機関(WHO)は先ほど、新型コロナウイルス肺炎に地域名をつけることに公然と反対した。世界各国の多くの政治家及びメディアもその提案を受け入れた。実際に新型コロナウイルスの感染源は現在も特定されておらず、「武漢ウイルス」を叫ぶことには科学的な根拠がない。道義的に見ると無責任かつ狭隘だ。
ポンペオ氏は米国トップの外交官だが、これは感染状況が深刻な国の中国への恨みを誘導し、各国で中国のせいにする輿論の雰囲気を醸成しようとしている。常識と理性を顧みない米国の対中外交の悪意を露呈しており、ポンペオ氏個人の人間性をさらに落とした。
レッテルを貼り付けるほか、ポンペオ氏は中国が米国に「瑕疵あるデータ」を提供しており失望していると批判し、さらにこれにより米国が「今日の境地」に陥ったと称した。「武漢ウイルス」という呼び方が無礼で悪辣だとするならば、この批判はでたらめ極まりない。WHOは中国が世界に透明な感染対策情報を提供したと称賛し続けている。ポンペオ閣下は中国政府からどのような「独占情報」を得れば満足できるのだろうか。
中国政府は毎日、感染状況の詳細なデータを公表している。中国の都市封鎖からコミュニティ管理に至る各種措置はいずれもオープンだ。中国は1月20日から毎日、感染症の警報を発令している。中国のどの面が不透明なせいで、40−50日経過し新型肺炎がいくつもの潜伏期間を過ぎた後も、米国の対策が遅れているというのだろうか。
米トランプ大統領は、新型肺炎の米国の一般人に対するリスクは「小さい」と何度も表明している。トランプ氏自ら公共の場で範を垂れ、米国人に握手の挨拶を続けるよう奨励している。米国は最も早く中国からの入国を禁止した国であるが、それ以外にどのような準備をしたのだろうか。先ほどのスーパー・チューズデーにおいて、両党は人が密集・接触する集会を開いた。グランド・プリンセスの2500人の乗客が何ら検疫を受けぬまま下船した。そのうちすでに多くの感染者が確認されており、死者も出ている。これらは米国以外の何かのせいなのだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月9日