ドイツ政府は15日、新型コロナウイルスのワクチンの開発を行っているドイツ企業に対する米国の「買い占め」を阻止すると約束した。
報道によると、米国のドナルド・トランプ大統領は同社の成果の「独占権」の買収について言及した。
ドイツのペーター・アルトマイヤー経済相は同日、ドイツのテレビ局に対して「ドイツは売らない」と伝え、ドイツ紙『ヴェルト・アム・ゾンターク』の一面記事に反応を示した。
報道によると、トランプ氏はドイツ企業「キュアバック」が開発中の新型コロナウイルスワクチンの「独占権」の買収を試みている。同紙はドイツ政府の消息筋からの情報として、トランプ氏が10億ドルの買収額を提示したと伝えていた。
ロイター通信は類似する消息筋の話として、米国は同技術をいかに把握するかを検討中で、資金を条件にこのドイツ企業を引きつけようとしていると報じた。ドイツは対策を講じており、すべての国によるワクチン技術の独占に反対を表した。
ドイツのホルスト・ゼーホーファー内務相は16日の記者会見で、この報道に言及し「私は本日、ドイツ当局者から本件について何度か聞いたとしか言えない。明日の危機処理委員会で議論する」と述べた。
ドイツ保健省の女性報道官は「新型コロナウイルスワクチン及び活性物質はドイツ及び欧州で研究開発の成功の確保をドイツ政府は強い興味を持っている。政府はキュアバック社との意思疎通を掘り下げている」と回答した。
リチャード・グラネル在独米国大使はツイッターで、『ヴェルト・アム・ゾンターク』の記事は誤報だと投稿した。米当局者は15日、記事は「誇張表現」と指摘し、米国がワクチン独占を試みていることを否定した。
この当局者は「米政府はすでに、ワクチン開発に協力できるという多くの企業(25社以上)と接触している。その大半がすでに米国の投資家から資金提供を受けている。我々は支援を提供できるというすべての企業との対話を続ける。すべての解決策を世界と共有する」と述べた。
『ヴェルト・アム・ゾンターク』の記事は、ドイツの政界の「糾弾」を引き起こした。ドイツ議会保健委員会の議員は「現在は一国が私利を貪るのではなく、国際協力を行うことが重要だ」と述べた。
ドイツ自由民主党のクリスチャン・リントナー党首は、トランプ氏の発言は選挙での票集めが目的だと指摘した。「トランプ氏が選挙ですべての手段を用いることは明らかだ」
この騒動の主役であるキュアバック社は15日、噂を否定した。同社の主要投資家は売却の意向がないとし、企業によるワクチン開発に期待していると述べた。
アルトマイヤー氏はこの「賢明な決定」を歓迎し、外資によるM&Aに対して政府に審査の権限があることを明確にした。「重要インフラ及び国・欧州の利益に関連する場合、必要であれば措置を講じる」
ドイツの「外国貿易法」によると、「国もしくは欧州の安全の利益が脅かされる場合」、ドイツ政府はEU以外の国からのM&A請求に対して審査を行うことができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月17日