「防疫対策のなかで中国は、人類運命共同体の理念を一貫して持ちながら世界の同業者と交流・協力を保ち、コミュニケーションを密にしている」。3月26日に開かれた国務院新聞弁公室(国新弁)記者会見で、科技部副部長の徐南平氏は、中国が毎日、世界の同業者からアドバイスと協力を求められており、それに対して中国も即座に世界の科学技術産業界と科学データや科学成果、防疫対策を共有していると力強く話した。『科技日報』が伝えた。
常にデータを共有
新型コロナウイルスが「登場」すると、中国の科学研究者は共有の精神にもとづき、新型コロナウイルスの研究で得たデータを世界に公表した。
武漢で発生した新型コロナウイルスの感染症に対し、中国疾病予防抑制センサーは速やかにウイルスの全ゲノム解析を終え、PCR検査試薬やウイルス電子顕微鏡画像の作成、ウイルス培養方法の研究などを進めた。専門的かつ素早い対応は各国政府に認められた。世界保健機関(WHO)も中国がゲノム情報を公表したことに謝意を示している。
電子顕微鏡画像の作成やプライマー・プローブセットの公表・共有についてウイルス専門家で米カリフォルニア大学サンディエゴ校医学院教授のロバート・ナビオー氏は『科技日報』記者に対し、新型コロナウイルスの電子顕微鏡画像とプローブを中国が公表したことは非常に大きな意義を持ち、新たな急速分子測定法の開発を後押しするほか、人体に侵入するウイルスの特異的な分子認識の予測が可能となり、標的薬の設計、ワクチンの開発、診療方法の検討評価につながると話した。
ウイルスのゲノムデータが集まるのに伴って中国の科学者は、配列の収集、分析、注釈を進めている。中国国家生物情報センターが発表した「2019新型コロナウイルスデータベース」によると、152カ国・地域の7万6000人あまりがデーターサービスを利用し、ダウンロードされた資料は400万件に上った。