新型コロナウイルスが香港で引き続き猛威を振るっている。この感染症との戦いにおいて、「クラウド経済」が大活躍している。フードデリバリー、ネット通販、オンライン学習、クラウド上場、クラウド展示会――消費、教育訓練、金融、展示会などの分野の資源の供給停止を回避し、人々の利便性を高め安心させることができる。また参加者の共感を深め、需要を絶えず引き出した上で、未来のビジネスチャンス絶えず顕在化する。
新型コロナウイルスが各国・地域で拡散するなか、高度にグローバル化された香港は徐々に防疫措置を強化した。3月末にはソーシャルディスタンスを保つ一連の措置の実施が始まった。特区政府は飲食店に対して、店内の利用客の数を座席の半分以内にし、テーブルとテーブルの間を1.5メートル以上空け、各テーブルの人数を最大4人にするといった規定を打ち出した。これにより飲食店の売上減が不可避だが、一部の店はフードデリバリーサービスを強化し、収入減と従業員削減の穴埋めをする道を見出した。
香港のチェーン外食ブランド「譚仔三哥」の店長によると、一部のフードデリバリープラットフォームは割引キャンペーンを行い、店のフードデリバリーの売上をさらに拡大し、店内飲食の減少による損失を相殺している。香港の街頭を行き来する配達員の姿も徐々に増えている。
香港市民の甄さんは商業管理訓練活動に従事しており、オンライン・オフライン同時の事業展開を試み始めている。甄さんは「幸い科学技術プラットフォームを利用しオペレーティング方法を変えることができる。テレビ会議の作業効率も予想以上だ」と述べた。
感染症流行中、ネット通販を好む香港市民が増えている。香港では防疫物資が不足し、価格が高騰し、現場で買い貯めする人の列ができるなか、多くの市民はタオバオによって日用防疫商品を購入している。
上場が相次ぐ香港証券取引所で3月23日、オンライン「クラウド上場」セレモニーが行われた。現場のセレモニーに出席できなかった企業や投資家と喜びを分かち合った。人の密集を回避するため、毎年開催されているアート・バーゼル香港は延期後、オンライン展示を選択し人々の期待に応えた。
市民の鄭さん(女性)は「感染症流行中、クラウド経済は市民の利便性を高め、極めて重要な安心感をもたらした」と話した。
業界内の専門家は、「香港市民は最近の頻繁な接触により、クラウド経済への共感を強めている。これはこのビジネスモデルが成長するための市場の基礎を固めた。クラウド経済は特殊な時期に限られず、感染終息後も香港という大海原で市場空間を手にする」と述べた。
香港貿易発展局の周啓良副総裁は「貿易発展局は18の大型イベントを延期した。4月1日より1カ月間の春季オンライン見本市を開始し、購入の需要を満たしている」と述べた。貿易発展局の資料によると、香港の業者によるネット通販ビジネスが活況を呈している。これは香港の業者がオンライン販促のテクニックを把握すれば、勝者になるチャンスがあることを意味する。香港科学園と香港デジタル港も今年の募集説明会をオンラインに移す。
市場が予測したように、香港の各業界はイノベーション要素を結びつけ、クラウド変革を迎える可能性がある。特に5Gネットワーク時代の幕開けに伴い、クラウド経済のビジネスチャンスを切り開く香港の基礎がより堅固になる。
中国移動香港などの各通信事業者は4月1日より、現地で5Gサービスを開始した。中国移動香港の李鋒董事長は「香港各界は感染対策に取り組んでいる。我々はテクノロジーを利用し香港の人々と協力し、各業界及び個人に新たな力を注ぎ、無限の可能性をもたらしたい」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月15日