世界保健機関(WHO)の報道官が、新型コロナウイルスの発生源に関する陰謀論を批判したことに続き、WHOは23日に行った毎日の感染状況報告において、「新型コロナウイルスの発生源が自然界の動物で、人為的な操作もしくは実験室で作られたものではないことは、既存の証拠によって明らかになっている」と再度強調した。
同日の報告は「要注目」の項目内で、新型コロナウイルスの発生源について詳細に説明した。2019年12月に武漢市で人類の新型コロナウイルス感染が報告された後、1月11−12日にかけて新型コロナウイルスの全ゲノム配列が対外的に公表され、共有された。その後、早期感染者のウイルス全ゲノム配列、及び世界のその他の場所で得られたウイルス全ゲノム配列によると、新型コロナウイルスの進化はコウモリに遡ることができることが明らかになった。
報告は、多くの研究者が新型コロナウイルスのゲノムの特徴を目にしており、新型コロナウイルスが実験室で作られたものとする証拠がないことを確認していると強調した。ウイルスが実験室内で作られたならば、ゲノム配列に一連の既知の元素が含まれるはずだが、新型コロナウイルスには含まれていない。
報告はさらに次のように指摘した。
ウイルスの発生源が自然界の動物であり、人為的な操作、もしくは合成されたウイルスではないことが、既存の証拠によって明らかになっている。またエボラウイルス、鳥インフルエンザ、中東呼吸器症候群(MERS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)などの感染症と同じく、新型コロナウイルス感染症は人と動物が共に罹患する疾病だ(動物から人に感染)。
人類とコウモリの濃厚接触は通常限定的であるため、新型コロナウイルスは中間宿主を経て人類に感染した可能性が高い。これは人とより接触しやすい動物のことだ。しかし現時点では新型コロナウイルスの中間宿主を特定できず、家畜、野生動物、人工飼育野生動物の可能性がある。
現在まで発表されている新型コロナウイルスの全ゲノム配列は非常に似通っている。これは感染流行当初の感染ルートが単一的であったことを意味する。感染流行の原因への理解を深めるため、中国政府は各種調査を展開している。これには武漢及び周辺地区の早期感染例、現地の生鮮農貿市場(自由市場)の環境におけるサンプル調査、これらの市場で販売されている野生動物もしくは飼育動物の出処や種類などが含まれる。
WHOは引き続き加盟国、動物・人類衛生専門家らと協力し、新型コロナウイルス感染対策の研究の空白と重点を見つけ出す。発生源を特定し、人類のさらなる感染拡大を防止する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月24日