米情報部門は先ほど発表した報告書の中で、新型コロナウイルスは人為的に作られたものではないという、科学界の広範な共通認識に同意した。フランスの専門家の最新の研究でも、フランス現地の感染は現地の発生源不明のウイルス株によって生じたことが明らかになっている。これらの科学の結論は、「ウイルス発生源かもしれない」として中国に責任転嫁しようとするホワイトハウスの政治家を真っ向から否定した。
ホワイトハウスの政治家は最近「かもしれない理論」により、ウイルスの発生源が中国・武漢の実験室であるかに関する調査を推進している。「かもしれない理論」で米国を見るならば、調査・追跡できる疑問点はあまりにも多すぎる。
まず、新型コロナウイルスはいつ米国で発生したのか。カリフォルニア州サンタクララ郡は3人の遺体を解剖しただけで、米国疾病予防管理センター(CDC)による初の死者の確認時期を1カ月弱も早めた。これは直接、次の疑問を生んだ。昨年12月、さらにはそれ以前に米国各地で発生したインフルエンザに似た症状はインフルエンザだったのだろうか、それとも新型コロナウイルスの感染だったのだろうか。米サンフランシスコ・クロニクル紙は「モントレー郡在住の市民は12月5日、喉の痛み、寝汗、発熱、呼吸困難などの深刻な症状が出たが、インフルエンザと連鎖球菌の検査では陰性だった」と伝えた。
次に「かもしれない理論」は、昨年7月上旬にウィスコンシン州で発生した電子タバコ肺炎を連想させる。CDCはこの不可解な肺炎の感染者を2807人報告している。死者は68人。高熱、空咳、呼吸困難、全身の脱力感など、医師による患者の描写は新型コロナウイルス肺炎のものと大差なく、かつ原因も不明だ。さらにおかしなことに、2月に新型コロナウイルスの流行が始まった後、CDCは電子タバコ肺炎の関連データの統計を停止した。ネットユーザの「電子タバコが誕生して20年以上になるが、なぜ今になり集中的な肺炎が生じたのか。中国がこれまで新型コロナウイルス肺炎を不明の肺炎と称してきたならば、我々は今になっても新型コロナウイルスを発見できなかったのではないか」というコメントもうなずける。
さらに「かもしれない理論」は野生動物との接触の頻度にも用いることができる。世界の科学者による高度に一致した研究成果によると、新型コロナウイルスの宿主はコウモリで、中間宿主は野生動物だ。米国魚類野生生物局が公開したデータによると、毎年発行される狩猟免許は1560万枚で、獲物には鹿、七面鳥、イノシシ、野生の羊、熊、各種鳥類などが含まれる。狩猟シーズンにはさまざまな、無数の動物が捕獲される。ところが米国の政治家は中国の海鮮活禽(生きた家禽)市場の概念を明らかにしないまま、いわゆる「ウェットマーケット」という概念により中国に「野生動物」市場の閉鎖を求めた。彼らは国内の狩猟行為がウイルスの人感染を「引き起こしたかもしれない」ことを検証すべきだ。
最後に、米国の新型コロナウイルス感染者はどの程度にのぼり、どれほど多くの人が命を落としたのだろうか。米国にはこれに関する公式の統計データさえない。ほぼすべての専門家が、米国が現在発表している感染者と死者の数が、実際の数字を大きく下回っていると見ている。例えば感染期間にニューヨーク市では毎日200人以上が自宅で亡くなっており、通常の10倍にのぼっている。そのうち新型コロナウイルス肺炎による死者は統計に含まれていない。
米国の一部の政治家は常に、中国が米国によるウイルス発生源の調査員の派遣を拒否していると不満を漏らしているが、米国は他国もしくはWHOをウイルス発生源の調査に招いたことがあるだろうか。米国の感染症専門家のファウチ氏は先ほどホワイトハウスから、米下院での証言を阻まれた。ホワイトハウスがファウチ氏に沈黙を強いようとしていると批判する声もあるが、彼らは何を隠蔽しようとしているのだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月6日