米政府は現在、米国と欧州の科学者による新型コロナウイルスの早期感染に関する新発見を恐れているに違いない。なぜならこれがウイルスへの認識を深め、かつトランプ政権の大統領選のプラン全体を揺るがしているからだ。このプランとは、非科学的で政治の常識にもとる論理の上に成り立っている。「環球時報」が伝えた。
世界各地では近日、昨年末に新型コロナウイルスがすでに欧州や米国で拡散していたという確かな証拠、もしくは当事者による証言が絶えず上がっている。フランスは昨年末の感染確定者を発見し、米ニュージャージー州の市長は昨年11月にかかったインフルエンザが新型コロナウイルスだったと述べた。検査によりその抗体があったからだという。イタリアでも昨年末に新型コロナウイルスの感染が拡大していたと報じられている。
CNNは6日、英ロンドン大学遺伝学研究所の研究者が、新型コロナウイルスが昨年下半期より世界各地で拡散していたことを発見したと伝えた。
これらは本来ならば無味乾燥な科学の情報だが、今や世界の主要メディアによって大きく取り上げられている。これは完全にトランプ政権がウイルス発生源の問題を政治化したことによる結果だ。
武漢市で最も早く流行したということそのものが錯覚の可能性がある。中国ではSARSが発生したことがあり、類似する感染症への警戒が強い。さらに昨冬、中国のインフルエンザは欧米ほど深刻ではなかったため、新型コロナウイルスの感染状況が目立ちやすかった。SARSの教訓がなければ、武漢の医師は12月末に「SARSかも」と疑うことはなかった。医学界全体は当時、新型コロナウイルスについてまったく知らなかった。最終的に新型コロナウイルスが危険であり、人から人に感染すると確定したのも鐘南山氏らSARS感染対策の名将だった。
欧米の昨冬のインフルエンザには、新型コロナウイルスの早期感染者が隠されていた可能性がある。欧米のインフルエンザは深刻で、米国の昨冬のインフルエンザは特に深刻だった。現地はSARSに見舞われたことがなく、医師の警戒が弱く、新型コロナウイルスの早期の死亡率も往々にして低い。そのため欧米は中国よりも早期に見えにくくなる。
各国の科学者による発見が相次ぎ、米政府は焦りを募らせている。欧米の早期感染はすでに武漢のウイルス拡散時期と重なっており、米国の市長の発言が信頼できるならば、米国では武漢よりも先に拡散していたことになる。
中国に責任転嫁し大統領選に挑むことは、トランプ政権と共和党が維持できない下策になりそうだ。武漢の実験室がウイルス発生源という非難は、世界の科学者から一致して否定されている。武漢がウイルス発生源と引き続き言い張っているが、このいわゆる「定説」も増え続ける新発見によりズタズタになっている。これはウイルスの真の発生源が見つかる前の、多くの可能性の一つとして残されるだけだ。その他の可能性が増え、信ぴょう性が増すにつれ、武漢への非難は米政府の陰謀と野心を支えられなくなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月7日