今年の中国政府活動報告は、外部環境の変化を見据え、確固不動の姿勢で対外開放を拡大し、産業チェーン・サプライチェーンを安定させ、開放により改革を促進し、改革により発展を促進するとした。世界の観測筋は、「新型コロナウイルス感染症が世界経済に深刻な衝撃をもたらすなか、中国が開放拡大の揺るぎなき立場を示しさらに具体的な計画を立てたことは、世界経済の自信の強化を促す」と指摘した。
国際通貨基金(IMF)は今年の世界のGDP成長率がマイナス3%になり、1930年代の大恐慌後で最も深刻な景気後退になると予測した。新型コロナにより人員・資本などの流動が阻まれ、世界のサプライチェーン・産業チェーンに損失が生じている。国際貿易が大幅に減少し、開放的な貿易体制が衝撃を受けている。ポピュリズム、保護主義がやや台頭している。これを受け産業チェーンの回帰、さらには経済「断絶」を主張する声が上がり、経済グローバル化の逆転の懸念を引き起こしている。
グローバル化は世界の発展を促進する必然的な趨勢であり、人類の進歩を促進する大きな流れでもある。改革開放後、中国の開放の扉はますます大きく開かれており、中国経済は世界との融合で飛躍を実現した。これは「開放は進歩をもたらし、鎖国すれば時代遅れになる」という歴史の法則を分かりやすく説明した。今回の感染症は世界経済に衝撃を及ぼした。中国は世界の流れに対する理解、自国の発展の実践の総括に基づき、元の殻に閉じこもるのではなく開放を拡大し、独善的になるのではなく積極的に協力している。開放及び協力の自信と「定力」を示している。非常事態を迎えた中国は各国と手を携え、発展により経済グローバル化のより開放的で包容な、普遍的でバランスの取れた共同繁栄への発展を効果的に推進している。
感染症の圧力を受け、中国の資本市場開放のペースも上がっている。適格域外機関投資家制度の実施から18年弱が過ぎ、投資枠の制限が正式に取り消された。中国の金融業はさらに対外開放を進める。世界最大の指数算出企業であるMSCIのヘンリー・フェルナンデス会長兼CEOは、今後10年は中国金融システムが開放を加速し、世界システムに導入される10年になると述べた。