香港特区政府財政司の陳茂波司長は7日にブログを投稿し、「米国の最近のいわゆる制裁措置が、香港に及ぼす実質的な影響は非常に限定的だ。香港は今後も引き続き資金と人気を集める。香港が国際金融センターとしての地位を保つことに自信を深めている」と表明した。ブログの内容は下記の通り。
香港は世界3位の米ドル外貨取引センターで、アジア太平洋地域、さらには国際的な多くの企業に各種投資、資産管理、貿易、決済のサービスを提供している。世界経済及び金融システムと密接に結びついている。香港の金融制度に衝撃を及ぼすすべての手段は、米国を含む国際金融市場に激震をもたらす。さらには国際市場の米ドル使用、米金融資産保有の自信を弱める。
香港は今後も引き続き資金と人気を集め、国際金融センターとしての地位を保つ。1997年に香港が復帰した当時の香港株式市場の時価総額は3兆2000億香港ドルだったが、現在は36兆香港ドルを突破している。香港は大陸部国有企業、レッドチップ企業、民間企業の香港上場ルートを切り開いた。資金の需要と成長の潜在力を持つ多くの企業を集め、投資収益を求める多くの資金を集めた。相互接続メカニズムの構築により、大陸部と世界の資金・市場が結びつき、香港株の投資家の基礎を豊かにした。香港のデリバティブ市場も発展を続ける。国際指数大手のMSCIは最近、そのアジア及び新興市場指数の先物及びオプション商品の発行権限をシンガポールから香港に移した。香港株式市場はさらに国際化し、より全面的になる。
今後について、香港株式市場は量の変化に伴う質の変化という向上の過程を迎える。アリババが昨年香港市場に上場したことに続き、今年も米国上場の大型大陸部企業が相次いで香港再上場を決定している。この流れは発展の勢いを示している。世界からの資金調達を必要とする大陸部のベンチャー企業及びその他の企業、あるいは大陸部市場を中心とする域外企業も、香港の資金調達プラットフォームの利用を優先的に検討する可能性がある。
香港は2018年に上場ルールを改正し、香港株式市場に新たな原動力を注ぎ込もうとした。わずか2年で87社の新経済企業が香港で上場し、計3000億香港ドル以上の資金を集めた。うちバイオテック企業の香港における資金調達額は約439億香港ドル。香港はアジア太平洋地域で最大の、世界2位のバイオテック資金調達センターになった。
新たな情勢を把握し、香港株式市場に新たな発展の原動力をもたらす。また市場構造を過去の伝統的な産業企業中心から、伝統及びクリエイティブテクノロジー企業の兼備に変えた。これは経済構造の変化に伴う資金調達の需要に反応し、金融がより良く実体経済に貢献できるようにした。また市場の活力、及び株価・価格発見の効率の向上を促した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月8日