日本が世界最高水準のステルス戦闘機を開発し、今後10年以内に航空自衛隊の主力戦闘機とすることを発表したと、このほど外国メディアが報じた。これに先立ち、日本はすでに米国からF35ステルス戦闘機105機を購入することを発表している。この取引が完了すれば、日本は世界第2位のF35戦闘機保有国となる。
日本がF35の大量購入後もなおステルス戦闘機の独自開発を選択したのはなぜか。同機の開発が成功した場合、航空自衛隊にどのような影響をもたらすのか。こうした問題について、人民網は軍事専門家の曹衛東氏に単独取材を行った。曹氏は日本の戦闘機開発の目的として、先進的戦闘機の独自開発能力の向上を挙げた。
■独自開発・製造、世代交代、合同作戦
曹氏は、日本がF35の大量購入後もなおステルス戦闘機の独自開発を選択した理由として、大きく次の3つを挙げた。
(1)日本は次期主力戦闘機の開発を通じて、先進的戦闘機の独自開発能力を高めることを望んでいる。以前、日本は米国か英国との新型ステルス戦闘機の共同開発を望んだが、共同開発の過程において航空電子システム、ステルス材料といった基盤技術を英米から供与されることはなく、たとえ製造されても、先進的戦闘機の開発力を得られることはなかった。このため日本は共同開発構想を破棄し、独自開発の準備に入った。
(2)航空自衛隊のステルス戦闘機の数を迅速に増やすため。すでに日本はF35を100機以上購入しており、航空・海上自衛隊に配備することから、ステルス戦闘機の数は大幅に増えるが、これによって自衛隊の戦闘機全体の戦闘水準を変えるのは困難だ。このためステルス戦闘機の開発に成功した場合、2030年前後に大幅な世代交代を迎えると見られる。
(3)同戦闘機の開発に成功すれば、航空自衛隊の装備水準は米軍とほぼ一致することになる。現時点で第3世代戦闘機では米軍はF15とF16を配備し、日本は性能が同等もしくは近いF15とF2を配備。第4代戦闘機では米軍はF35とF22を配備し、日本もすでにF35を配備している。次期主力戦闘機の開発に成功すれば、日本の戦闘機の作戦能力は米軍にほぼ近づく。これによって日本は米軍と作戦プラットフォーム上で協力を展開できるようになる。
■工業水準を高め、リードを確保
報道によると、日本側は次期主力戦闘機が敵の目標複数の同時ロックオン、ウェポンベイ、推力偏向ノズル等の機能や技術を備えることを公言している。曹氏は「次期主力戦闘機の開発に成功した場合の影響は軍需工業水準と航空戦闘能力の両面から見ることができる」として、次の2点を挙げた。
(1)ステルス戦闘機の開発はエンジン、ステルス材料、先進的航空電子システムなど多くの基盤技術に関わる。次期主力戦闘機の開発成功は、日本のエンジン技術、ステルス材料、航空電子システムなどがいずれも難関を突破したことを意味し、その軍需産業能力は大幅に高まる。
(2)現在日本はF15を主力戦闘機、F35を最先端機、F2とF4を補完としている。次期主力戦闘機の開発に成功した場合、F2とF4及び一部のF15は段階的に淘汰される。その時、日本の戦闘機は大部分がステルス戦闘機となり、航空自衛隊の航空作戦における戦闘機能力は大幅に高まる。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年7月20日