米NYタイムズは22日に「火星に着陸できるか? 中国が『天問』で回答へ」と題した記事の中で、宇宙事業の先頭集団に入った中国は、次の大胆な飛躍を試みていると伝えた。記事の要旨は下記の通り。
中国の火星探査機「天問1号」が、木曜日に打ち上げられた。中国は複雑な宇宙探査任務を単独で管理できることを示そうとしている。火星上陸に成功すれば、これは非常に得難いことになる。中国にとってこれは単なる国の誇りではない。中国は宇宙探査を未来の発展の支柱にする。
アナリストは、中国は宇宙戦略及び後方支援能力を計画的に建設しており、地政学的目標を持っていると述べた。中国は2030年までに火星でサンプルを採取し地球に持ち帰ろうとしている。アメリカ航空宇宙局(NASA)及び欧州宇宙機関(ESA)の同じ目標を持つ共同プロジェクトと競争を展開しようとしている。ヘリテージ財団の中国宇宙事業専門家は、「中国にとって、宇宙は総合的な国力のすべての部分に関わる」と述べた。
米WIRED誌は「火星は極めて挑戦的な目標だ。中国にとって、天問1号は他国に向け、中国はもはや宇宙探査の単なる参加者ではなくリーダーになったという情報を伝える」と報じた。
上述したヘリテージ財団の専門家は「中国は世界一流の科学技術力を持つことを示す。これは世界に力を示すだけではなく、国の誇りにとって重要であり、政治的意志の勝利を示す」と述べた。
米国は国際宇宙ステーションなどの協力プロジェクトへの中国の参加を阻んできた。排他的な政策により、中国は宇宙大国に必要な技術と専門的な知識の開発を強いられた。宇宙事業専門家は「彼らは単独の取り組みにメリットがあることを意識した。米国の政治の影響を受けず、自ら計画を左右できる」と述べた。
天問1号は中国の深宇宙の最も野心あふれる模索であり、中国の宇宙計画が過去20年で大きな進歩を手にしたことを浮き彫りにしている。中国はまだ米国の宇宙における成果を超越していない。しかし中国の火星探査任務は、この2つの宇宙大国間の技術の格差が急速に縮小していることを示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月24日