ティックトックが米政府を提訴 米ユーザー数は1億人と初めて公表

ティックトックが米政府を提訴 米ユーザー数は1億人と初めて公表。

タグ:ティックトック 米政府 提訴

発信時間:2020-08-26 14:31:47 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 TikTok(ティックトック)は24日、米ロサンゼルス連邦地裁に訴状を提出し、同アプリの米国における使用を禁じた大統領令が違法であるとして米政府を提訴した。ティックトックは39ページの訴状で、「トランプ政権は何の根拠も証拠もなく当社を非難しているが、これは大統領選前に国家安全保障の旗印を掲げ反中キャンペーンを盛り上げるために過ぎない」と表明した。訴状で初めて公表されたデータを見ると、米国人が想像を遥かに上回るほどティックトックを愛用していることが分かる。米国における同アプリの今年7月現在のユーザー数は1億人にのぼり、2018年1月より800%弱増えている。米メディアの多くが、ティックトックの勝訴の可能性は低いとしているが、復旦大学サイバー空間国際ガバナンス研究基地の沈逸主任は『環球時報』の記者に「ティックトックが米政府を提訴したことは、いかなる犠牲も払わず中国企業を奪い取れないことを世界に宣告した。これは最も重要なことだ」と指摘した。


 24日にティックトックが禁止令をめぐりトランプ政権を提訴した後、ティックトックの技術製品マネージャーのライアン氏もカリフォルニア州北部地区連邦地裁に対してトランプ政権を提訴し、政府の禁止令は憲法違反であり同氏の給与を違法に剥奪したと主張した。米紙『ザ・ヒル』の報道によると、ライアン氏は訴状の中でさらに「トランプ氏は中国に強硬姿勢を示すことを、四面楚歌の大統領選の中心的なテーマにしているが、ティックトックの従業員はトランプ氏が中国と政治的に対決するための駒にされた」と訴えた。


 「ティックトックの提訴が重視するのはプロセスだ」中国外交学院国際関係研究所の李海東教授は25日、『環球時報』の記者に「ティックトックの声明からも、彼らが最悪のシナリオを想定していることが分かる。このプロセスを踏まえることで、米政府が他国企業の米国における正常な経営を処理する際に卑劣な手段を講じていることを米国人に見せつけることができる。トランプ氏の経済のナショナリズムは米国に雇用と経済改善をもたらしたのだろうか、それとも雇用が減り経済改善の空間が狭められ、米国の国際的なイメージを落としたのだろうか。大統領選を背景とし、この問題を考える米国人が増えることだろう」と話した。


 米CNBCのウェブサイトの報道によると、ティックトックは24日、トランプ政権の提訴に関する声明の中で「当社は軽率に政府を提訴しないが、今や他に選択肢がなくなった……(中略)……トランプ政権の行政命令は当社の米国事業の終了を強いており、この措置により現地の1万人の雇用枠が失われる。数百万人の米国人に取り返しのつかない損失をもたらす。彼らにとってティックトックは単なる娯楽アプリではなく、友人と連絡を保ち、さらには生計を立てる場でもある。特に感染症が依然として蔓延するなか、ティックトックは極めて重要だ」と強調した。


 ティックトックは訴状の中で、初めてユーザーに関する詳細なデータを明かした。今年7月現在の同アプリの世界ユーザー数は6億9000万人弱で、うち米国は1億人にのぼる。2018年1月時点の米国におけるアクティブユーザー数は1100万人余りしかいなかった。25日付英紙『フィナンシャル・タイムズ』は、米国企業による微信(WeChat)及びティックトックの使用を制限する大統領令は、米国企業により大きな損失をもたらすと伝えた。10億人以上のユーザーを持つ通信アプリの微信は、中国とのビジネスで不可欠だ。ユーザーはスターバックスやウォルマートの「微信小程序」(WeChatミニプログラム)の機能を使い購入し、商品券をプレゼントし、コーヒーを注文する。ユーザーは昨年、これらの「小程序」により1150億ドルを消費した。米国での成長が飽和化した多くの米国企業は中国により全体的な成長を実現しているが、これらの企業は微信で宣伝を行うことが多い。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年8月26日

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