王毅国務委員兼外交部長(外相)は30日、仏国際関係研究所(IFRI)で演説を行い、質問に答えた。外交部(外務省)ウェブサイトが伝えた。
【ティエリ・ド・モンブリアルIFRI理事長】米国は世界における主導的地位を失う可能性を受け入れることを拒んでいる。米大統領選の結果がどうなろうとも、この考え方は変わらないと見られる。一方、中国、フランスとEUは共に多国間主義を支持している。どうすれば中米間の「新冷戦」勃発を回避できると考えるか。
【王部長】中国側の考えは非常に明確であり、各国はいずれも国際社会の平等なメンバーであり、自らが発展する権利を有しているというものだ。米国が先に発展したことに、我々は祝意を表する。同時に、中国にも発展する権利があり、中国国民にも幸せな生活を送る権利がある。アフリカを含む他の新興エコノミーや途上国も同じ考えだ。この訴えは非常に正当かつ理にかなったものだ。
このことに鑑み、この世界は多極化へ向かうのであり、国際関係も民主化の実現が必要であると中国側は一貫して主張しており、また信じている。健全で安定した世界は一、二か国が全てを決定するべきではない。各国の主権の平等は国連憲章の基本原則だ。世界の強国である米国は、なおさらに包摂的な姿勢で他国の発展を受け止め、他国の人々にも米国の国民と同様に素晴らしい生活を送る権利があるということを認識すべきだ。中国側はかねてより、どの国とも「新冷戦」は望んでいない。かつ、グローバル化の時代において「冷戦」などはできず、世界を再び2つや3つの陣営に分割することは不可能だ。各国はすでに相互に融合し、利益共同体となっている。未来においては習近平国家主席の提唱する人類運命共同体を共に構築するべきだ。
また、中米関係に関しては、3つの基本的な考えを話したい。
第1に、中米間の意見の相違や摩擦は、権力や地位の争いでもなければ、社会制度の争いでもない。これは多国間主義を堅持するのかそれとも一国主義なのか、協力・ウィンウィンを提唱するのかそれともゼロサムゲームなのかだ。これこそが現在中米関係が直面している問題の本質だ。米国が現在歴史の誤った側に立っていることを、世界各国はすでに非常にはっきりと見ているはずだ。
第2に、現在の米国外交には一方的な制裁と中傷しか残っていないようだ。米国のいわれなき対中非難に対して、中国側は事実をはっきりと語り、必要な対応を取らなければならない。独立国として、我々にはそうする権利がある。我々は中国の国益と民族の尊厳だけを守っているのではなく、国際関係の基本準則も守っているのだ。
第3に、中国は米国との対話の扉を開いている。我々はいつでも共通関心事について米側と率直で誠意ある、踏み込んだ意見交換をすることを望んでいる。米国国内にも道理をわきまえた人々が常におり、双方は話し合い、共通認識を形成することができると、我々は信じている。中国側はまた、フランスを含む欧州各国が中米関係の緩和のために建設的役割を発揮すること、欧州が戦略の自主性を堅持し、不確定性に満ちたこの世界に安定性をもたらすことを歓迎する。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年8月31日