北京時間9日、アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「ホープ」が「宇宙ブレーキ」に成功し、火星周回軌道に入った。これはアラブ世界で初の火星探査任務の象徴的な進展を意味し、今年の火星探査の幕開けとなった。ホープに続き、中国の火星探査機「天問1号」と米国の火星探査機「パーサヴィアランス」も今月中、次々と火星を訪問する。
1カ月で地球から3回の来客
米サイト「Space.com」は9日、2月7日の「火星の新年」が過ぎたばかりで、この赤い星は地球から次々と3回の来客を迎えると伝えた。ホープは北京時間9日午後11時頃に7カ月の長距離旅行を終え、ついに火星付近に到達し重要な段階に入った。UAE宇宙機関はSNSで、「ホープは人の手による干渉を受けず、27分間の宇宙ブレーキを行う」と投稿していた。
UAEのアール・マクトゥーム副大統領兼首相は「探査機の6基のエンジンがフル稼働し、燃料の半分を費やし飛行速度を時速12万1000キロから1万8000キロに落とし火星周回軌道に入った。UAEは初めてアラブ世界を深宇宙に進出させた。我々の宇宙任務はアラブの青年に希望と自信をもたらした」と述べた。
火星周回軌道に入った後、ホープは火星に着陸せず、火星を周回しながら各種測量活動を行う。火星の大気及び火星の1日の周期及び季節的周期を研究し、火星の気候変動の法則をつかむ。またホープによりUAEは米国、ソ連、欧州宇宙機関、インドに続き火星探査に成功する5番目の国・地域になる。
「サイエンティフィック・アメリカン」(電子版)は9日、火星探査任務は地球と火星の位置関係を考慮しなければならず、火星探査機の打ち上げに適した期間が短いため、昨年夏に打ち上げられた各国の火星探査機は集中的に2月に火星に到達すると伝えた。天問1号はホープの火星到達から24時間内に、火星周回軌道への進入を試みる。「中国独自の惑星間飛行任務は今回が初めてで、中国の宇宙事業の野心と能力が大きな一歩を踏み出した」パーサヴィアランスは今月18日に火星に到達する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年2月10日