NZ紙「ニュージーランド・ヘラルド」(電子版)は4日、オークランド大学経済学部長の文章を掲載した。要旨は下記の通り。
西側メディアはいわゆる「新型コロナウイルスは武漢の実験室から流出」という説を盛んに論じているが、なんら根拠のないデマにより中国の影響力を抑制しようとしても西側の文明発展を促進せず、むしろ西側諸国のイメージをさらに落とすことになる。この説の内容には問題がある。
まず、新型コロナウイルスの致死率と感染力は当初想定されていたよりも低く、かつ回復率が高い。そのためこのストーリーを信じるためには、中国が大量の時間と労力を費やし、それほど致命的ではないウイルスを開発し流出させたと想定しなければならない。さらにこの病原体の流出により、西側が必ず理性を失い、自国に壊滅的な社会的・経済的損失をもたらすと想定しなければならない。
中国が本当にこのようなバイオテロリズムに従事しようとするならば、なぜ新型コロナウイルスに時間を浪費するのだろうか。なぜより致命的なモノに投資しないのだろうか。
実際には、西側諸国はパンデミックから立ち直るなか、地政学的な現実がすでに変化していることを意識した。西側諸国は実際に感染拡大中に発展途上国に対して、ワクチンやその他の援助は完全に自国頼みであると表明した。西側が最優先するのは西側自身だ。
中国は自国のワクチンを研究開発するため巨額の投資を行っている。現在、数十カ国が中国製ワクチンを使用している。西側はこの市場の可能性が失われるのを目の当たりにしている。しかも新型コロナワクチンは毎年接種するようになるかもしれないのだ。
残された唯一の実行可能な選択は、中国が「意図的にこの病原体を流出させた」ことを世界に証明することだ。この批判が、9.11同時多発テロ後にイラクを攻撃したのと同じ賢明な頭から出ていることに注意が必要だ(イラクはテロと何の関係もなかった)。彼らはさらに、イラクが大量破壊兵器を保有しているというストーリーを作り、不吉にも核兵器について論じた。当時多くの人は、このストーリーが捏造されたものであることを知っており、侵略により真相が明るみに出た。
現在、中国を孤立させるキャンペーンが展開されている。しかしなんら根拠のないデマにより中国の影響力を抑制しようとしても西側の文明発展を促進せず、むしろ西側諸国のイメージをさらに落とすことになる。
科学者らはこの中傷キャンペーンを支持する前にしっかり熟慮するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2021年6月9日