バイデン氏の欧州歴訪、気まずい「厄介事」が不可避に

バイデン氏の欧州歴訪、気まずい「厄介事」が不可避に。

タグ:バイデン氏 欧州歴訪

発信時間:2021-06-11 16:04:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米国のバイデン大統領は9日に英国に到着し、大統領就任後で初の外遊を開始した。8日間の訪欧中、バイデン氏はG7サミットとNATO首脳会議に出席し、かつスイスでロシアのプーチン大統領と会談する。

 

 バイデン氏の今回の外遊は、過去4年間で大きく損なわれた米国と欧州の関係修復を目的としていると見る向きが強い。しかし大西洋両岸では気まずい厄介な出来事が絶えず、関係修復は難航しそうだ。

 

 欧州の懸念

 

 バイデン氏は出発前に記者団に向け、今回の外遊は「欧州と米国の緊密な関係」をアピールすると述べていた。

 

 ところが最近発覚したスパイ問題は、今回の外遊を決まりの悪いものにした。デンマークメディアの報道によると、米国はかつてデンマークの情報機関の協力を受け、ドイツのメルケル首相を含む欧州の政府要人を対象にスパイ活動を行っていた。独ベルリン紙は、本件は欧州諸国に衝撃を与え、バイデン氏の欧州歴訪に暗い影を落としたと指摘した。

 

 トランプ前大統領の任期中、米国は「パリ協定」及びイラン核合意から離脱した。欧州の同盟国に軍事費拡大の圧力をかけ、EU産の鉄鋼及びアルミニウム製品に追加関税をかけた。これら一連の行動により、双方の政治・経済・安全などの溝が深まった。バイデン政権は発足後、同盟国の重要性の強調を続け、同盟国への安全の約束を繰り返している。さらに各分野で欧州に友好の手を伸ばし、米国と欧州の低迷する関係の改善を試みている。

 

 従来の方針に回帰した米国に対して、欧州諸国の指導者は「熱心だが警戒」という態度を示している。米紙「ニューヨーク・タイムズ」は9日の記事の中で、バイデン氏は「米国の回帰」の主張に力を入れているが、欧州諸国の指導者は米国の向かう先を確定できず、米国内の激しい政治論争に注目していると指摘した。また、トランプ氏の米共和党への影響力が弱まっていないことにも注意していると伝えた。

 

 米シンクタンク、大西洋評議会ブレント・スコウクロフト国際安全保障研究センターの責任者であるバリー・パベル氏は、「欧州諸国は米共和党の現状を理解しており、今年1月6日に米議会で発生した暴動を目にした。彼らは米国が2024年にどのような大統領を選出するかを知らない」と指摘した。

 

 中国国際問題研究院米国研究所の研究員補佐の張騰軍氏は、「バイデン政権は現在、主に国内の感染対策、経済回復、党の対立、人種差別などの問題に取り組まなければならない。これを背景とし、バイデン政権の同盟国へのさまざまな約束は口先だけに留まる可能性が高い。これも欧州側が米国に懸念を抱く一つの原因だ」との見方を示した。

 

 利益の食い違い


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