オーストラリア放送協会(ABC)は12日、観光業専門家の話として、「オーストラリアと中国の外交関係が改善しない限り、新型コロナ前のように多くの中国人観光客が豪州観光に訪れる可能性は低い」と警告した。
豪エディス・コーワン大学のサム・ホアン教授は、「中国とオーストラリアの外交関係が改善しない限り、豪州への中国人観光客数が新型コロナ前の水準に戻る可能性は低い」とし、「中豪関係が中国人の海外旅行に与える影響は非常に大きく、これはオーストラリアにとって良い兆候とは言えない」と強調した。
記事によると、中国人観光客はオーストラリアにとって「お得意様」だ。オーストラリア政府観光局の統計では、2019年の豪インバウンド市場で中国人観光客が入国者数、消費額ともに最大のシェアを占めた。2019年だけでも、中国人観光客はオーストラリアの観光産業に33億豪ドル(160億人民元)の収益をもたらした。そして今、オーストラリアの観光業界関係者は、日本やインド市場にも目を向けようとしている。
両国間の外交的緊張が高まる中、中国は独自の渡航勧告を発表し、オーストラリアへの渡航を控えるよう警告しているとABCは報じた。オーストラリア政府観光局が5月に実施した調査によると、中国・インド・日本を含む市場からオーストラリア訪問を考えている観光客が、旅行の安全性に不安を持っていることが明らかになった。中国人回答者で「オーストラリアは安全な訪問先だ」と答えた割合は、4月の57%から5月には48%に減少した。
サム・ホアン教授は、「国と国との関係は、今後の国際観光業で重要な役割を果たす。中国政府のこのような声明は、一部の中国人観光客の旅行先の選択に影響を与える可能性がある」とし、「問題を解決するには、オーストラリア政府がトップダウンで中国との関係修復に取り組む必要がある。そうしない限り、オーストラリアの観光産業の現場実務者が打撃を受けることになる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月17日