中米の天津での接触、発したシグナルとは?

中米の天津での接触、発したシグナルとは?。中国側は良好で安定的で絶えず前進する中米関係に期待している。これは両国の人民の利益と国際社会の普遍的な期待に合致するからだ。その一方で、中国側は米国側が中国への態度を改めたからといって、決して米国側の圧力に屈しない…

タグ:中米関係 天津 けん制 

発信時間:2021-07-28 16:02:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 王毅・国務委員兼外交部長は天津市で26日午後、訪中した米国のシャーマン国務副長官と会談した。外交部の謝鋒副部長はこれに先立ち、シャーマン氏と会談していた。アンカレジの対話に続く中米間の重要な対面式の意思疎通として、今回の天津市の接触は両国の各界及び国際社会から注目された。


 この接触はどのような重要なシグナルを発したのだろうか。会談は中米関係を正しい軌道に戻すため、実質的な進展を手にしたのだろうか。次の段階の中米関係はどのように発展するのだろうか。


 米国側に尊重と平等な付き合い方を補習


 シャーマン氏の今回の訪問は米国側が提案し、双方の協議を経て行われた。ところが米国側はシャーマン氏の訪中前に、いわゆる「パワーと地位」に基づき中国側と接触すると言い続けた。さらには一連の問題をめぐり中国へのけん制と圧力を強化し、中国側の我慢の限界に探りを入れた。


 王氏はこれについて、「米国が今日も平等な態度により他国と交流することを学んでいないならば、我々には国際社会と共に米国にしっかりその補習を行ってやる責任がある」と明確に指摘した。


 アナリストは、「自ら訪中を求めながら高圧的な姿勢を示す米国側の矛盾したやり方は、自身の覇権の優位性が失われつつある焦りを示した。それとは異なり、中国は世界を正視する心で中米関係を処理し、積極的で開放的な自信あふれる度量、揺るぎなく力強い戦略的な平常心を示した」と述べた。


 謝氏は会談の中で、「中米関係は現在膠着状態に陥り、深刻な困難に直面しているが、この根本的な原因は米国の一部が中国を『仮想敵』にしていることだ」と指摘した。中国国際問題研究院常務副院長の阮宗沢氏はこれについて、「中国側の態度は、中米間の問題の根本的な原因の所在を明確に指し示し、米国側に中国への認識を改めるよう求めた。一語でずばり要点を突いたと言える」と述べた。


 米国側の一部の政治家が吹聴する「中国脅威論」について、中国側は天津で米国側に次のことをはっきり、明確に伝えた。中国の発展は米国を脅かすものではなく、米国の代わりになるためでもない。中国は米国との勝ち負けを賭け事にする興味を持ったことはなく、中国の発展も米国の衰退を前提とするものではない。


 中国国際問題研究院米国研究所副所長の蘇暁暉氏は、「米国も中国を正視し、そのいじめの態度を改め、健全で正常な心で中国と付き合うことで、中米関係は初めて正しい道を安定的かつ長期的に歩む可能性を手にする」と述べた。


 正しい手段で中米関係の動向を再構築

 

 中国側は天津での接触中及び接触後、直ちに一連の情報を公開した。うち「米国側の『競争・協力・対抗』の三分法は中国に圧力をかけけん制する『目くらまし』」「毒を食らわば皿までなのに、さらにメリットをすべて手にしようとする。天下にそんな道理があるか」「脅迫的な外交の発明権、特許権、知的財産権はいずれも米国人のものに他ならない」などの発言が各界から広く注目を集めた。


 アナリストは、「中国側のこの措置は、中国側が米国側と接触する際に、米国側が設定した話題に受動的に応じるのではなく、中米関係の大局及び長期発展を立脚点とし自発的に声を出すことを示した。米国側に交渉を主導する方針を改めるよう促した」と指摘した。


 蘇氏は「過去の中米の接触において、米国はよく意図的に世論をミスリードした。今回のシャーマン氏の訪中前にも、米国側は一連の間違った情報を発表し、中国側に圧力をかけようとした。中国がそれに対して正確に力強く声を上げるのは必要であり、重要だ」と述べた。


 中国側は会談中、米国側に2つのリストを提出した。1つ目は米国側に中国への間違った政策と言行の是正を求めるリストで、2つ目は中国側が関心を寄せる重要なケースのリストだ。

 

 蘇氏は、「米国側に2つのリストを提出したことも、中米関係の『ガードレール』の設置は平等と互恵の原則を必ず守り、双方の利益保護を中心とすべきと強調したことも、中国側が正しい手段により中米関係の動向を再構築しようとしていることを示した」と述べた。


 阮氏は、「2つのリストは米国側の一連の具体的な間違った言行を列挙した、中国側が出した協力の条件だ。次の段階の中米関係を改善し発展させるためには、米国側が2つのリストの具体的な議題から着手し、中国側に関係改善の誠意を示す必要がある」と述べた。


 中米関係を正しい軌道に戻すためには、粘り強い取り組みが必要


 中国外交部の報道官は今回の天津での接触を「深く率直だった」と評価した。米国務省のプレスリリースも、双方の会談は「率直でオープン」と描写した。アナリストは、「米国側の中国への態度に根本的な変化がないことから、両国関係の短期間内の実質的な回復は難しい。正しい軌道に戻るためには、双方の持続的な努力が必要だ」と判断した。


 蘇氏は「米国側が中国に圧力をかける政策をあっさり放棄することはない。両国間のけん制と圧力、それへの対応の間の矛盾も短期間内に消滅しない。過去数カ月に渡り、米新政権は国内の政治の圧力、感染再拡大、経済の疲弊といった一連の問題に直面した。これにより中国へのネガティブな政策が、国内の不満をそらす一つの選択肢になった」と述べた。


 双方の食い違いを適切に管理し、中米関係のさらなる悪化、さらにはコントロールの喪失を防止するため、中国側は今回の接触で米国側に「中国の特色ある社会主義の道と制度に挑戦・誹謗してはならず、さらには転覆を試みてはならない」「中国の発展の歩みを妨害、さらには遮ろうと試みてはならない」「中国の国家主権を侵犯してはならず、ましてや中国の領土保全を破壊してはならない」という3つの限界ラインを示した。


 アナリストは、「中国の発展と振興は歴史の必然だ。米国は国際事業でより大きな力を発揮する中国と平和的に付き合い、協力しウィンウィンを実現することを学ぶ必要がある。中米関係が好転するかは、米国側の中国への態度と間違った言行が根本的に、実質的に改善されるかによって決まる」と指摘した。


 中国人民大学国家発展・戦略研究院の研究員である刁大明氏は、「中国側は良好で安定的で絶えず前進する中米関係に期待している。これは両国の人民の利益と国際社会の普遍的な期待に合致するからだ。その一方で、中国側は米国側が中国への態度を改めたからといって、決して米国側の圧力に屈しない。これについて米国側ははっきり認識するべきだ」と述べた。

 

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月28日

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