中国科学技術部の徐南平副部長によると、中国政府は新型コロナウイルス発生後、5つの科学研究方向を手配したが、ウイルス発生源特定はその一つだ。科学技術部は中国科学院、中国医学科学院、中国疾病予防管理センターなどの研究チームと、動物・ヒト・分子・環境の発生源特定などの重点方向をめぐり、科学的な発生源の特定及び研究を積極的に展開している。
コウモリのコロナウイルス「RaTG13」のゲノムと新型コロナウイルスの進化関係の判断を例とすると、配列の一致率と受容体結合ドメインにおける一致率の分析を踏まえたさらなる研究・分析により、専門家はRaTG13と新型コロナウイルスの間に比較的遠い進化関係があると判断した。
動物の発生源特定について、中国の科学研究チームは感染が発生したばかりの時期に、全国31省・市・自治区の野生動物・家禽・家畜のウイルス検査を行った。比較的短期間内に8万件以上の検体の検査を行ったが、新型コロナウイルスの抗体が1つも見つからず、核酸検査で1つも陽性が出なかった。
徐氏は「研究チームはウイルスの攻撃試験により、これらの動物を感染しやすい、感染しにくい、感染しないに分けた。動物の発生源特定の主な方向を把握した」と説明した。
徐氏は「ウイルスの発生源特定は科学の難題であり、多くの不確実性が存在する。科学研究チームは科学的な態度、科学的な方法、科学的な事実により科学的な発生源特定を展開することで、初めて真相を明らかにすることが可能になる」と指摘した。
中国の科学者は広く国際協力を展開している。「各国の科学者との共同の努力により、発生源の特定及び研究に積極的な進展があった」徐氏はデータを挙げ、「7月19日まで、中国は米国や英国などの海外チームと発生源特定に関連する論文を225編発表している。国内の研究チームは352編の論文を発表。中国の発生源の特定及び研究は国際化の程度が非常に高い」と説明した。
同時に中国は科学研究面のデータ・情報共有を積極的に強化している。国家生物情報センターを利用し、世界で共有する新型コロナウイルス情報バンクを構築した。7月19日まで、世界範囲で新型コロナウイルスの塩基配列を253万本余り収集・共有しており、世界の177カ国・地域の30万人弱のユーザーにサービスを提供している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月1日