南アフリカの与党、アフリカ民族会議(ANC)は7月30日に発表した声明の中で、新型コロナウイルスの起源解明の科学に基づく調査を支持し、国際社会に団結と協力を求めた。また起源解明の問題の政治利用を非難した。声明の要旨は下記の通り。
過去2年間に渡り、世界各地の人々は新型コロナウイルスの影響を受けた。新型コロナウイルスによりすでに数百万人が死亡し、世界経済が破壊され、国内及び国家間の既存の不平等が深刻化した。ANCは、高所得国は「ワクチンの民族主義」に取り組み、自国民の複数回の接種に向けワクチンを買い溜めした。このワクチンの民族主義の結果、ウイルスのさまざまな変異株が発生し、発展途上国の発症率と死亡率の上昇、景気低迷、貧困及び不平等の激化が生じた。
国際社会は団結を保つため努力することで、ウイルスの感染拡大を効果的に防ぎ、破壊を減らすべきだ。ワクチンは感染症の抑制にとって極めて重要だ。現在の国際社会はウイルスの起源解明問題を政治利用するのではなく、ワクチンの協力に焦点を絞るべきだ。
現在は陰謀論を持ち出す時ではない。80年代以降のエイズ予防・抑制活動が陰謀論と政治利用などによって妨害されたことがその証左だ。ウイルスの起源解明は科学的に見ても、世界の保健政策から見ても重要であり、地政学的競争のツールにされるべきではない。地政学的競争は現在の感染症に打ち勝ち、未来の感染症を予防するため何の助けにもならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月2日