すでに300人以上の中米諸国の移民が6日以降、米国によって航空機でメキシコ南部の都市ビヤエルモサに送還され、その後メキシコ政府によって大型バスでグアテマラの国境地帯の町に送られた。10日付米紙「ワシントン・ポスト」が伝えた。
これらの移民の多くがホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの出身だ。移民の中には1歳未満の子を連れる母の姿もあった。
米国税関・国境警備局の統計データによると、同局は今年7月1日から28日にかけて、米国とメキシコの国境地帯で17万6000人を超える違法移民を拘禁した。
変異株が感染拡大ペースを上げ、米国及びラテンアメリカ諸国が感染再拡大に直面している。感染症のリスクが拡大するなか、米国は依然として移民送還のペースを上げている。
アナリストは「バイデン政権発足後、移民政策の規制が緩和されたが、これは越境し米国に入ろうとする違法移民の激増を直接招いた」と述べた。
深刻化を続ける違法移民問題に対応するため、米国のハリス副大統領やマヨルカス国土安全保障長官ら米高官は今年上半期より、メキシコや中米諸国を相次いで訪問している。
これについて取材に応じた専門家は、「米国の最近の動きは、バイデン政権の移民問題への態度に変化が生じており、メキシコ及び中米諸国に歩み寄り、違法移民の北上を共に阻止しようとしていることを反映している」と述べた。
深刻な感染再拡大を顧みず、広い範囲で移民を送還する米国側の措置は批判を浴びている。
米外交政策研究機関「ラテンアメリカ活動チーム」の移民問題専門家は、「これは国境地帯の秩序を再構築する良き手段ではない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月16日