外交部(外務省)の華春瑩報道官は19日の定例記者会見で、「中国はアフガニスタンのタリバンに積極的な姿勢表明の具体的実現を促し、希望する。国際社会はアフガニスタンの各党派、各民族が団結・協力して、アフガニスタンの歴史に新たな章を開くよう共に促し、支持するべきだ」と表明した。
華報道官は、「このほどアフガニスタン情勢に重大な変化が生じた後、タリバンの指導者と報道官は様々なルートを通じて、国民の直面する問題を解決し、国民の要望を満たし、開かれた包摂的なイスラム政府の樹立に尽力する考えを繰り返し公に表明するとともに、人々の平等、差別の撤廃に尽力すると表明し、前政府職員の赦免を宣言し、女性の言論の自由、就業や教育を受ける権利などを保障していくとした。報道官はまた、責任ある行動を取ってアフガニスタン人及び同国内の外国公館の安全を保護すること、各国と良好な関係を構築する意向、いかなる者であれアフガニスタンの領土を利用して他国を脅かすことは認めないことを表明した。中国はこうした積極的な姿勢表明やメッセージに留意している」と述べた。
華報道官はまた、「我々はロシアなどいくつかの国の政府要人や、少なからぬ海外メディアがタリバンのカブール入城後の各方面での行動を肯定し、タリバンの現在のやり方を良好で積極的かつ実務的なものと考えていること、アフガニスタン情勢はまだ不透明だが、過去の歴史が繰り返されることはなく、現在のタリバンは以前政権を握っていた時よりも冷静かつ理性的であると考えていることにも留意している」と述べた。
華報道官は、「中国はタリバンがその積極的な姿勢表明を具体的に実現させ、アフガニスタンの各党派、各民族と団結し、対話と協議を通じて、アフガニスタン自身の国情に合い、国民から支持される、広範で包摂的な政治枠組を早期に構築し、温和で穏健な国内・対外政策を実施することを促し、また希望する。様々なテロリズムと犯罪行為を抑え込み、アフガニスタン情勢の平穏な移行を確保し、戦火の苦しみを受け尽くしてきたアフガニスタンの人々ができるだけ早く戦乱を遠ざけ、永続的平和を確立できるようにすることを促し、また希望する」と表明。
「アフガニスタン国内には多くの矛盾が蓄積し、米国も多くの難題を残したため、和平・復興プロセスは順風満帆とは行き難い。このプロセスにおいて、国際社会はアフガニスタンの各党派、各民族が団結・協力して、アフガニスタンの歴史に新たな章を開くよう共に促し、支持するべきだ」と述べた。
華報道官はさらに、「タリバンへの不信感を繰り返し強調する人々がいることに留意している。この世界に不変なものは存在しないということを指摘したい。我々は全面的で、つながりのある、発展的な弁証法的思考で問題を認識し、受け止め、処理すべきだと主張する。過去にどうであったかを見るだけでなく、現在どうであるのかも見る必要がある。その言葉を聞くだけでなく、行動も見る必要がある。もし時代の流れについていくのではなく、固定的思考に執着し、情勢の推移を無視するのなら、それは『舟に目印を刻んで、川に落とした剣をさがす』ようなもので、現実に即した結論を得ることはできない」と指摘。
「実際、アフガニスタン情勢の急激な変化は、これまで外部がアフガニスタン情勢に対する客観的判断を欠いていたこと、アフガニスタンの民意に対する正確な把握を欠いていたことを物語ってもいる。こうした面で、西側のいくつかの国々は特に教訓を汲み取るべきだ」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月22日