国務院新聞弁公室は28日、「中国の全面的小康」白書を発表し、記者会見を行った。
同白書は「中国が小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的完成によって、国をさらに豊かにし、国民をさらに幸福にし、社会をさらに安定させたこと自体が、世界の平和と発展に対する多大な貢献だ。中国は小康社会の全面的完成によって、世界の貧困層を大幅に減らし、人類が現代化へと向かうための新たな道筋を探求した」と指摘した。徐麟・中共中央宣伝部副部長(国務院新聞弁公室主任)は、小康社会の全面的完成が中国自身の発展であると同時に、世界への貢献でもあることを指摘した。
中国における小康社会の全面的完成は世界にとって何を意味するのだろうか。寧吉喆・国家発展改革委員会副主任兼国家統計局局長が、様々な角度から次のように解説した。
■世界の貧困削減事業に際立った貢献
改革開放以来、中国の農村貧困層7億7000万人が貧困から脱却した。これは同時期の世界の貧困削減の70%以上を占める。2020年には絶対的貧困を解消し、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困削減目標を10年前倒しで達成した。これは人類史上未曾有の大きな変革と大きな出来事であり、世界の貧困削減事業に自信と力を与えた。
■世界経済の成長と回復を牽引
2006年以降、中国は15年連続で世界経済成長への最大の貢献国となり、何年も続けて平均寄与率が30%以上に達している。2020年には国内総生産(GDP)が100兆元(1元は約17.1円)を超え、世界の主要エコノミーで唯一プラス成長を実現した。今年上半期、中国のGDPは前年同期比12.7%増となり、世界経済と貿易の回復を牽引する重要な力となり、世界の供給システムの安定性維持に積極的な役割を果たした。
■世界経済の繁栄と発展に大きなチャンスをもたらした
すでに中国は世界第2位の消費市場、最大の物品貿易大国となり、外資利用と対外投資において世界トップレベルを維持している。今後5年間で、中国の世界各国・地域からの物品輸入は10兆ドル(1ドルは約110.9円)以上に達し、世界各国・地域への直接投資は5500億ドル以上に達すると推計され、世界経済の安定的回復と持続的発展に強い推進力を与えるだろう。
■発展途上国現代化の新たなルートを開拓した
2019年以降、中国の1人あたりGDPは1万ドルを超えた。これによって1人あたりGDPが1万ドルを超える世界のエコノミーの総人口は14億人増え、2倍近くになった。中国は小康社会を全面的に完成させる過程において、経済の急速な発展と社会の長期的安定という2つの大きな奇跡を成し遂げ、急速な発展と独立性の維持の両立を望む世界の国々や民族に、全く新たな選択肢を提供した。
徐副部長は、「白書は、未来の中国がより開放的、包摂的な姿勢で世界を受け入れ、世界とより良い相互作用を形成し、人類運命共同体の構築と、さらに素晴らしい世界の建設の促進に新たな、より大きな貢献を果たすことを強調している」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年9月29日