米誌「ナショナル・インタレスト」は26日、米国が12月に開催するいわゆる「民主主義サミット」に共同で反対する、中国の秦剛駐米大使とロシアのアントノフ駐米大使の共同寄稿を掲載した。両大使は寄稿で、「民主主義サミット」について、「明らかに冷戦思考の産物であり、イデオロギー的対立と世界の分断を引き起こし、新たな『分断線』を作り出し、今日の世界の発展と逆行するものだ。中国とロシアはこの行動に断固反対する」とした。
「ナショナル・インタレスト」記事のスクリーンショット
両大使は寄稿で、「平和、発展、公正、正義、民主、自由は人類共通の価値観だ。民主は、ある1つの国や組織の特権ではなく、全ての人々の普遍的権利だ。それは様々な方法で実現が可能であり、全ての国々に適用できる1つのモデルはない。その国の路線が機能するか否かは、それがその国の国情に合っているか否か、時代の潮流に順応しているか否か、経済発展や社会的安定・進歩、国民生活の改善を促進できるか否かにかかっている。最終的には国民からの支持にかかっており、かつ人類の進歩に対する貢献によって証明されることになる。従って、民主の基本的基準は国民であるべきだ。つまり、国民が国を治める権利を持っているか否か、国民のニーズが満たされているか否か、国民が充足感と幸福感を持っているか否かだ。もし国民が投票時にだけ呼び覚まされてその後は『休眠』状態に戻されたり、選挙期間中には耳障りのいい立派なスローガンを聞かされても選挙後には発言権がなかったり、遊説・集票活動時には仲間に引き入れられるのにその後にはまた粗末に扱われるようでは、真の民主ではない」と指摘した。
また両大使は他の国々に対し、「傲慢に他国を批判するのではなく、自国の問題に集中するよう」呼びかけ、「中国とロシアの民主への心配は不要だ。いくつかの外国政府は、自分たちのことを考え、自国内で起きている事について考えてみたほうがいい。そうした国の国内では様々な集会がゴム弾や催涙弾で追い散らされているが、これは自由なのか?そうは見えない 」と指摘した。
寄稿の最後で、両大使は各国に対して、「価値観外交」を利用して分断や対立を引き起こすことを止め、国際関係において相互尊重と協力・ウィンウィンを堅持し、社会制度、イデオロギー、歴史や文化、発展水準の異なる国々の調和ある共存を後押しするよう呼びかけた。
米国は12月にいわゆる「民主主義サミット」を開催するが、現地時間23日夜に公表された「参加国リスト」には「台湾」の名が突如乗っていた。中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は25日、ハンガリーのシーヤールトー外相とテレビ会議を行った際、 米国がいわゆる「民主主義サミット」開催を画策していることに対し、厳正な立場を表明。「民主が『政治化』されてはならない。民主の名の下に他国の内政に干渉し、他国の主権を侵害し、自らの政治的目的に役立たせるやり方は論外であり、排除し、反対しなければならない。米側は『台湾独立』を支持しないと主張する一方で、堂々と『台湾独立』勢力に国際舞台を提供している。これは、米国が口先だけで約束を守らないことを証明するのみだ。台湾地区は中国の神聖な領土の一部であり、米国が利用できる手中の駒ではない。民主は各国の追求する共通の価値観であり、米国が恣意的に弄ぶ政治的道具ではない」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年11月29日