米国防総省は29日に、「世界規模の米軍態勢の見直し(GPR)」を発表した。「中国の軍事力の建設とパワーの運用に対抗」するため、米軍のグアム及び豪州における軍事基地を補強するとした。GPRは、米軍の展開に関する重大な調整については言及しなかった。「環球時報」が伝えた。
GPRは、インド太平洋地域は米軍の優先地域と強調。燃料や弾薬保管庫の増設を含むグアムと豪州の空港の整備により、軍機と軍事人員の短時間内の追加派遣を可能にする。米国は中国を念頭に置く抑止力を構築している。
注意すべきは、GPRの公開部分がグアムと豪州を重点的に取り上げたことだ。これらはいずれも第二列島線の戦略拠点だ。米国の第一列島線における拠点の建設は近年減少している。これは第一列島線が「すでに整備済み」であるほか、米国が長期戦略において第一列島線に期待していないからではとの憶測もある。
中米の軍事衝突が最も生じうるのは台湾海峡もしくは南中国海だ。米国が第二列島線の拠点の建設を強化するが、これは潜在的な軍事衝突の規模の大きさを示している。中米が万一開戦に及べば、海上の数隻の軍艦が戦って終了とはならないだろう。米国の現在の準備には、地域外への軍事動員能力が含まれている。中国の軍事闘争の準備にも、米国側のこれらの準備への対応が含まれるべきだ。
中国は米国の第二列島線の戦略拠点を攻撃する、信頼性の高い通常能力を構築するべきだ。これは低姿勢で良いが、関連情報を米国や同盟国に隠すべきではない。彼らの戦略拠点は、中国への威嚇を支持すれば中国の対応の標的になることを知るべきだ。米国が中国の周辺で解放軍を攻撃するための拠点になれば、彼ら自身が拡大された戦場の一部になるだろう。
豪州などの米国のアジア太平洋における同盟国は自ら米国との関係を強化し、かつ米軍の解放軍に対する作戦をサポートする意欲を示している。彼らは米国との同盟関係を強化することで自身の影響力を一方的に拡大できると感じている。今後は彼らに、それは同時にリスクの拡大を意味し、まさに「何かを得るためには何かを失う」であることを教えなければならない。
米国は同盟国と海外の軍事基地が多く、中国を念頭に置く軍事力の構築はまさにグローバル展開だが、中国の軍事拠点の新設は多くの壁に直面している。この局面を短時間内に打開するのは困難であるため、中国は米国の第二列島線内の軍事拠点を無害化処理する大きな能力を手にし、中米間のバランスを実現する必要がある。無害化とはこれらの拠点に中国に対して軽率に行動できなくさせるか、もしくは一挙に破壊することを意味する。
豪州の不穏な動きは典型的で、かつ極めて軽率であり、戦略的にほとんど我を失っていると言えるほどだ。中国は能力の建設と情報発信により、米軍による台湾海峡戦争に積極的に巻き込まれ、豪州における米軍基地を戦争に参加するための飛び板にするならば、自国の国家安全を賭けることになることを分からせる必要がある。
中国の海外軍事基地が少ないことから、第二列島線の標的を攻撃できるミサイルの発展に取り組み、相当数を確保することが極めて重要だ。これらのミサイルは割安で、長距離攻撃が可能で、コストパフォーマンスが高い。米国と同盟国のある拠点が中国に軍事攻撃を仕掛ける準備をすれば、我々のミサイルの焦点をその拠点に合わせる準備をすればいいとも言える。
中国はこの方面の透明性を適度に上げてもいい。そうすれば米国と同盟国に何も言わせず、かつ抑止力を強化できる。軍隊の日常的な用途はまさに抑止力の発揮であり、「戦いを止めることが武の真の値打ち」というものだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年12月1日