中国の秦剛駐米大使は11月30日、米ワシントン州タコマ市のリンカーン高校で開かれた「ピンポン外交」50周年記念行事にテレビ会議の形式で出席してスピーチを行い、「半世紀後の今日に我々が『ピンポン外交』を記念するのは、それが歴史を作ったからであり、さらにはその精神が未来をも導くからだ」と表明した。中国新聞社が伝えた。
秦大使は「『ピンポン外交』が歴史を作ることができたのは、中米関係の発展が両国及び両国民の根本的利益にかない、中米関係の正常化が大勢の赴くところであり、当時においても条件を備えていたからであり、必然であったと言える」と指摘。
「『ピンポン外交』は中米関係の歴史における触媒のようなものだ。その触媒作用によって、中米両国民の間に長く存在した『隔たりを打破し、意思疎通を強化し、理解と親善と増進する』という真摯な願いと客観的なニーズが触発され、大きなエネルギーを生んだのだ。このエネルギーによって、両国関係はイデオロギーや社会制度の違いを乗り越えて急速な発展を遂げ、数10年間にわたり両国民、さらには世界の人々に確かなメリットをもたらしてきた。また、まさにこうした協力や交流を通じて、我々は両国民には想像していたよりも似ているところが多く、広い範囲に及んでおり、両国の共通利益と協力のニーズが溝や摩擦よりも大きいことを知ったのだ」とした。
「このところ、両国関係は深刻な困難に直面している。我々は、どうすれば中米関係という『大きなボール』を安定して、速く回転させ続けることができるだろうか?」。秦大使は参加した米国の高校生に向けてこう問いかけた後、「皆さんが物理の授業で習った言葉を使って説明できるかもしれない。つまり、意見の相違に建設的に対処して、中米関係発展のために『抵抗力』や『摩擦力』を減少させ、協力や交流を拡大することで、中米友好の『運動量』と『加速度』をますます高めていけばいい」と語りかけた。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年12月2日