ウクライナ問題に対する中国側の5つの立場を表明=王毅外交部長

中国国際放送局  |  2022-02-27

ウクライナ問題に対する中国側の5つの立場を表明=王毅外交部長。

タグ:ウクライナ問題

発信時間:2022-02-27 10:41:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 2月25日、中国の王毅国務委員兼外交部長は、英国のトラス外相、欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策上級代表、フランスのエマニュエル・ボヌ大統領外交顧問とそれぞれ電話会談を行い、ウクライナ情勢について突っ込んだ意見交換を行いました。王部長はウクライナ問題に対する中国側の基本的立場を次のように説明しました。要約は以下の通りです。


 第一に、中国は、すべての国の主権と領土保全を尊重、保障し、国連憲章の趣旨と原則を確実に遵守することを断固主張する。この立場は一貫して明確であり、ウクライナ問題についても同様に適用されるものである。


 第二に、中国は、共通で包括的かつ協力的で持続可能な安全保障の概念を提唱している。ある国の安全が他国の安全を犠牲にし得るものであってはならず、地域の安全は軍事組織の強化あるいは拡張によって保障されるものではないと考える。すべての国の合理的な安全保障上の懸念は尊重されるべきである。NATO・北大西洋条約機構が5回連続で東方拡大する状況下で、ロシアの安全面における正当な要求は重視され、適切に解決されるべきものである。


 第三に、中国は常にウクライナ問題の変遷に注目しており、現在の情勢は望ましくないものである。ウクライナ現地の事態がさらに悪化し、コントロールできない状況となることを避けるため、すべての当事者たちが必要な自制を保つことが当面の急務である。市民の生命・財産の安全は効果的に保障されなければならず、特に大規模な人道的危機を防止しなければならない。


 第四に、中国はウクライナ危機の平和的解決に役立つすべての外交努力を支持し、奨励する。中国は、ロシアとウクライナの直接対話・交渉が早期に行われることを歓迎する。ウクライナ問題の背景には複雑な歴史的経緯がある。ウクライナは東洋と西洋を結びつける架け橋となるべきであり、大国間の対立の最前線に貶められるべきではない。中国はまた、欧州とロシアが、欧州の安全保障問題について対等な対話を行い、最終的にバランスのとれた、効果的で持続可能な欧州の安全保障メカニズムを形成することを支持する。


 第五に、中国は、国連安保理がウクライナ問題の解決のために建設的な役割を果たすべきであり、地域の平和と安定、そしてすべての国の普遍的な安全を重視しなければならないと考える。安保理の行動は、火に油を注ぐのではなく緊張状態による熱を冷まし、情勢をエスカレートさせるのではなく、外交的解決の促進に利するものでなければならない。このような観点から、中国は安保理の武力行使と経済制裁を安易に認めるような安保理決議には賛成しない。


 また、王外交部長は、「中国は安保理の常任理事国であり、責任ある大国として一貫して自国の国際的義務を忠実に履行し、世界の平和と安定の維持に建設的な役割を果たしている。中国はあくまで平和的発展の道を歩み、人類運命共同体の構築に尽力している。われわれはすべての覇権主義や強権主義に断固反対し、広範な発展途上国、特に中小国の正当かつ合法的な権益を断固として守っていく」との立場を表明しました。


 「中国国際放送局日本語版」2022年2月27日

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