中国の秦剛駐米大使は現地時間20日、米CBSの番組「フェイス・ザ・ネイション」に出演し、主にウクライナ問題について中国側の立場を説明した。質問に回答する際に、秦氏の発言がたびたび司会のブレナン氏から遮られ、注目を集めた。米国のネットユーザーは、司会は「乱暴」「素人」と直言した。
ブレナン氏は番組の中で、「バイデン米大統領はロシアにいかなる形式の援助も行わないよう中国側に要請したが、中国側はプーチン氏に『浮き輪』を投げ、武器や資金を提供する意向か」と質問した。秦氏はこれに対して、「中国側がロシア側に軍事援助を提供するという説はフェイクニュースであり、中国はこれに反対する。中国側はどちらか一方に武器弾薬を提供するのではなく、ウクライナ人民に食品、薬品、寝袋、乳児用粉ミルクを送っている」と強調した。また、「中国側は戦争に反対し、情勢の沈静化を促すべく全力を尽くす」と繰り返した。
ブレナン氏の「中国はロシア側を批判するのではなく放任している」という発言について、秦氏は「中国側は本件そのものの是非曲直により独自に判断する。まず、中国側は国連憲章の主旨と原則を遵守し、ウクライナを含む各国の主権と領土保全を尊重する。その一方で、ウクライナ問題に複雑な歴史的経緯があることを見なければならない」と強調した。秦氏は、批判は問題解決につながらず、「当面の急務は和平交渉を促すことだ。中国側はこれまで和平交渉を促し、停戦を呼びかけてきており、今後もそうする。むやみな批判は役に立たず、我々に必要なのは知恵、勇気、効果的な外交だ」と述べた。さらに、「中国はロシアやウクライナと良好な関係を保っており、米国や欧州などとも緊密な意思疎通を保っている。そのため中国側の独特な地位はこの危機の平和的な解消に資する」と指摘した。
ブレナン氏は番組の最後に、いわゆる新疆の人権問題に忘れず言及し、間もなく訪中する国連人権事業のハイレベル当局者は自由に訪問できるのかと疑問視した。これについて秦氏は、「いわゆる人権侵害行為は存在しない」と強調し、「中国側は人権ハイレベル当局者と緊密な意思疎通を保っており、すでに共通認識を形成している」と述べた。
注意すべきは、9分間の出演中に、ブレナン氏が23回も秦氏の発言を遮ったことだ。それとは対照的に、同じ日に出演した米国のオースティン国防長官、共和党上院トップのマコネル氏らは誰も遮られなかった。ブレナン氏の無礼で差別的なやり方は物議を醸した。あるネットユーザーは、「ブレナン氏の発言を遮る行為は乱暴かつ無礼で、決めつけにより秦氏の回答を邪魔した」とコメントした。あるネットユーザーは、「これはインタビューではなく、稚拙な尋問だ。ブレナン氏はプロじゃない」と皮肉った。さらに別のネットユーザーは、「秦氏は大使だ。その発言を聞き、中国の立場を理解するべきではないか。米国が中国の考えを変えられないことは明白だが、なぜ傾聴しより良い判断を下せないのか。中国が認めないシナリオは役に立たず、戦略的な価値がなく、感情をぶちまけるだけだろう」と指摘した。
あるネットユーザーは、「この司会は、偏見を持たず、偏らず質問するというマスメディアの最も基本的な原則に背いた」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月23日