ロシアとウクライナの軍事衝突は、世界の安全保障に大きな影を落としている。中国が平和的解決に向け外交的な仲裁・調停の斡旋を積極的に展開しようとしているのに対し、米国のメディアや政治家は軍事衝突の責任を中国に「押しつけ」ようとしている。
ニューヨークタイムズはこのほど、「中国は事前に事情を知りながら、ロシアのウクライナに対する軍事行動を制止せず、ただ傍観することを選択した」と報じた。 米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はロシアとウクライナの軍事衝突について、中国も「責任の一端を担うべき」と語る。このような荒唐無稽な発言には困惑させられるだけだ。中国はすでに、「ロシア・ウクライナ紛争の勃発について事前に知っていたわけではなく、ニューヨークタイムズの報道は純然たる虚偽情報」だと明らかにしている。米国メディアや政治家の発言は、悪事を隠そうとしてかえって露呈するようなものだ。ロシア・ウクライナ紛争勃発の責任を中国に押しつけて、自身の逃れられない責任を隠蔽しようとするものだ。事実、米国こそがこの危機を引き起こした張本人だ。
ロシアとウクライナの対立には長い歴史がある。その本質はNATOの無秩序な東方拡大にあり、より根本的な原因は米国をはじめとする西側諸国のロシアに対する欺瞞と猜疑心にある。米国などの西側諸国がロシアの戦略的生存圏を徐々に侵食し、主権安全保障の越えてはならない一線を越えて踏み込んだことで、ロシアは軍事的対抗措置を取らざるを得ない状況に追い込まれ、ロシア・ウクライナ危機は制御不能な状態の瀬戸際に向かっているのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月27日