王毅国務委員兼外交部長(外相)は14日、ベトナムのブイ・タイン・ソン外相と電話会談を行った。外交部(外務省)ウェブサイトが伝えた。
王部長は「百年間なかった大変動、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、そしてウクライナ危機が重なり合う中、中国とベトナムは共に社会主義の道を歩む隣国として、両党・両国の政治的優位性を発揮し、『同志であり兄弟』の友好的伝統を発揚し、自らの事をしっかりと行い、各々の発展・振興の勢いを保つと共に、戦略的な意思疎通を強化し、地域の平和・安定維持に新たに貢献する必要がある」と指摘。
「現在、南中国海情勢は中国とASEAN各国の互いの努力の下で安定を維持している。南中国海情勢の動揺や不安定化を望んでいるのは、別に下心を抱いた域外勢力に他ならない。陸上国境交渉と3つの海上作業部会の役割をしっかりと発揮させ、北部湾(トンキン湾)海境界画定と南中国海共同開発の具体的進展を後押しし、事態の複雑化を招く一方的行動を避ける必要がある。『南中国海における関係国の行動宣言』(DOC)調印から今年で20年になる。これを契機に、早期に『南中国海における行動規範』(COC)について合意に達し、南中国海の長期安定・平和を一層強固に保障する必要がある。このためにベトナムが積極的、建設的役割を果たすことを希望する」と述べた。
双方はウクライナ問題について意見交換。王部長は「ウクライナ問題によってアジア諸国は、平和と安定の維持が非常に大切であり、ブロック対立にとらわれていては災いがいつまでも続くことを再認識した。米国は『インド太平洋戦略』を強力に推し進めることで、地域に緊張を作り出し、対抗と対立を煽ろうとしているが、これはこの地域のようやく得られた平和的発展局面を深刻に損ない、ASEAN中心の地域協力枠組を深刻に侵食することになる。我々はこの地域に冷戦思考を復活させるわけにはいかず、ウクライナの悲劇を身近で繰り返させるわけにはいかない。中国とベトナムは共に社会主義国だ。中国はベトナム側と団結や協力を強化し、外的リスクを防ぎ止め、ウクライナ危機のこの地域への波及的影響にしっかりと対処し、地域の平和・安定の大局の維持に積極的役割を果たすことを望んでいる」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年4月15日