「安全保障は発展の前提だ。人類は、分割することの出来ない安全共同体だ」――中国の習近平国家主席は21日、ビデオ方式で参加したボアオ・アジアフォーラム2022年年次総会の開幕式の基調演説で「グローバル安全保障イニシアティブ」を打ち出したことで、国際社会から広く注目されている。このイニシアティブで中国はまたも、未曾有の世界の変転、時代の変転、歴史の変転に人類が対応するための中国の知恵を、国際社会の「公共財」として提供する貢献をした。この知恵は、アジアが必要とするものであり、世界が必要とするものだ。
今年のボアオ・アジアフォーラムでは、安全保障問題がこれまで以上に突出した。北大西洋条約機構(NATO)が絶えず東に拡大したことでウクライナ危機が勃発したことや、米国が世界規模で仲間を引き入れて陣営の対立をあおっていることなどで、世界における平和はますますもろく、ますます貴重なものになった。米国に本拠を置く中米関係研究所(ICAS)の常勤上級研究員であるスラブフ・グプタ氏は、習主席が演説の中で多国間主義と全世界の発展を強調したことについて「非常に時宜を得ており、タイムリーだった」との認識を示した。
具体的な内容から見れば、このイニシアティブは「六つの堅持」で成り立っている。すなわち「共同、包括、協力、持続可能な安全保障理念の堅持」、「各国の主権と領土の完全性の尊重と、他国の内政に干渉しないことの堅持」、「国連憲章の主旨と原則の順守の堅持」、「安全保障についての各国の合理的な関心を重視することの堅持」、「対話と協議を通じての平和的な方式による国家間の対立と争いの解決の堅持」、「伝統的安全保障と非伝統的安全保障の両立の堅持」だ。以上の項目からも分かるように、このイニシアティブは安全保障分野における人類運命共同体の理念の生き生きとした実践だと見て取れる。
アジアについて言えば、このイニシアティブは重要な意義を持つ。アジアでは過去数十年にわたり総体的に平和と安定が維持された。そのことで経済の高度成長が実現し、「アジアの奇跡」が成し遂げられた。アジアの人々は「平和がなければ、発展はありえない」ことを熟知している。しかし平和と安定には地域の国々が共に努力することが欠かせない。中国が打ち出した「グローバル安全保障イニシアティブ」は、アジアと共に世界で先駆けて提唱した平和共存五原則や「バンドン精神」と共に、アジアの国がよりよく平和を維持し、協力を強化し、団結を促進し、運命をしっかりと自分の手で握ることの助けになるに違いない。(CRI論説員)
「中国国際放送局日本語版」2022年4月23日