拡張への執着が「覇権秩序」の崩壊を加速

「人民網日本語版」  |  2022-04-26

拡張への執着が「覇権秩序」の崩壊を加速。

タグ:覇権秩序

発信時間:2022-04-26 14:25:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米国は長い間、「世界の警察官」を自任し、いわゆる「パクス・アメリカーナ」を押し売りしてきた。しかし、ロシア・ウクライナ紛争が明示したように、米国の治下で平和は実現しない。「米国主導の秩序」は覇権秩序であり、その本質はパワー・ポリティクスである。覇権主義的拡張に惑溺し続ければ、結局は米国の覇権の崩壊を加速させるだけである。

冷戦終結後、米国は世界唯一の超大国となった。1999年、米国の学者ウィリアム・ウォルフォースは論文「The Stability of a Unipolar World」で、冷戦後の世界は、各分野のパワーにおいて圧倒的優勢にある米国の一極時代になるとの認識を示した。その後のジョージ・W・ブッシュ政権はこの判断を受け入れ、2002年9月発表の「国家安全保障戦略報告書」で「パクス・アメリカーナ」の実現を明確に打ち出した。

「パクス・アメリカーナ」理論の提唱者は、米国はパワーの絶対的優勢を維持することで、国家の安全と世界の安定を実現するべきであり、米国主導のいわゆる「秩序」は平和維持に寄与すると強調する。果たして事実はそうだろうか?

「パクス・アメリカーナ」の本質は覇権である。そして、米国式覇権秩序こそが平和と安定の最大の破壊者である。米国は自国の絶対的安全保障を追求して、ロシアに最大限の圧力をかけ、5回にわたるNATOの東への拡大によってロシアの戦略空間を蚕食し続けたことで、ロシアを窮地に陥れて反撃に出ざるを得なくさせ、ロシア・ウクライナ紛争を勃発させたのである。

米国が常に口にする「ルールに基づく国際秩序」は、実際には覇権秩序なのである。「中心―外周」の地政学的モデルと「敵か味方か」の二分法的思考に基づき、米国をリーダーとする西側諸国が中核的地位を占め、非西側諸国は辺縁に押しのけられている。いわゆる「ルール」は誰が定め、誰が主導し、誰に有利なのか? これらの核心的問題において、米国は「ダブルスタンダード」を余すところなく示しており、極めて偽善的だ。

21世紀に入ってからというもの、米国は好戦的に武力を乱用し、理不尽で無秩序かつ際限なき覇権拡大に惑溺した結果、ハードパワーからソフトパワーまで総合的国力が衰退した。対外的には、「世界の警察官」たる矜持に力が伴わなくなってきている。国内的には、政治的二極化、経済的衰退、エスニックグループ間の摩擦、社会的分断といった積弊が同時に際立つようになっている。

米国の「グローバル・リーダーシップ」がある程度衰退すると同時に、世界の相互のつながりは日増しに強まり、不公正、不合理、持続不可能という米国の覇権秩序の一面がますます露呈している。新興国の集団的台頭によって、国際秩序はより公正で合理的な方向への改革を求められている。米国の覇権に対して、各国が反発を一層強めていくのは必至だろう。

米国政府は時代に逆行して、米国支配下の覇権秩序の強化を図り続けているが、それは自らの作り出した地政学的落とし穴にはまり、一極時代の終焉を早めるだけである。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年4月26日


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