米国の対中戦略的競争、袋小路から脱却せよ

中国網日本語版  |  2022-05-06

米国の対中戦略的競争、袋小路から脱却せよ。バイデン政権は発足当初、現在の世界における長期的な駆け引きを、米国を始めとする「民主主義国家」勢力と、中露を始めとする「専制主義国家」勢力の間の衝突及び駆け引きと定義した…

タグ:安全 保障 戦略 イノベーション力

発信時間:2022-05-06 15:01:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=朱鋒 南京大学国際関係学院教授


 新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たため、ブリンケン米国務長官が現地時間5日に予定していた、バイデン政権の対中政策に関する演説が無期限で延期された。バイデン政権による新たな対中政策の発表が遅れた。


 トランプ政権は2017年12月に「国家安全保障戦略」を発表した。中国は米国によって、最大の「戦略的競争相手」と定義された。米国の対中政策は全面的に「戦略的競争」に転じ始めた。バイデン政権は昨年1月の発足後、トランプ政権の内政及び外交の重大な調整を行ったが、対中関係については基本的に前政権の方針を踏襲した。中国に圧力をかけるさまざまなやり方は前政権以上となった。ブリンケン氏による中国関連の政策及び戦略の発表は、米国の対中戦略的競争の既存の構想と手法が見直しと再定義の時を迎えたことを意味する。中米関係の今後をめぐり、中国国内の世論にも二極化が見られる。バイデン政権の今日の中国政策をいかに客観的に、正確に認識するかが問題になっている。


 バイデン政権は発足当初、現在の世界における長期的な駆け引きを、米国を始めとする「民主主義国家」勢力と、中露を始めとする「専制主義国家」勢力の間の衝突及び駆け引きと定義した。かつ、いわゆる民主主義の価値を守り「中露の挑戦」に対応することで、米国の「世界のリーダーとしての地位」を取り戻そうとした。トランプ政権時代より始まる中国に対する各方面の駆け引きが維持されたばかりか、バイデン政権はさらに中国企業に制裁を行う「エンティティリスト」を拡大し、中国に対するテクノロジー戦をエスカレートさせた。中国のイノベーション力と競争力を抑え、ハイテク分野で中国とのデカップリングを促すことはすでに、バイデン政権の既定の政策になっている。


 バイデン政権の対中戦略的競争の中心的な目標は、中国企業への米製ハイテク製品の供給を遮断し、中米相互間のハイテク関連の投資を阻止し、中国に対抗するハイテク集団を作り、中国人学生への留学ビザの発給の削減といった手段により、中国のテクノロジーと工業化による国際的な競争力の向上を妨げ、中米のパワーの格差を再び広げ、米国の全面的な競争力の優位性と覇権の堅固な地位を保つことだ。これは米政府が今後掲げる、長期的な対中戦略的競争政策だ。


 バイデン政権の中国関連の戦略的競争政策は、中米関係の安定と健全な発展に資さないばかりか、中米の正常なビジネス・経済・貿易・人文協力に大打撃を与え、中米の政治と安全をめぐる対立を増やす。さらには政治面で、中米関係が発展させるべき対話と協調を大幅に弱体化させ、両国関係が守るべき「相互尊重、平等と互恵、協力とウィンウィン」という性質に重大な不確実要素をもたらす。


 国内及び世界で「脱中国」に必要な政治・外交・世論の支持を得るため、バイデン政権はトランプ時代の新疆関連問題をめぐる中国への批判を維持し、完全に白黒を転倒させ中国による「3つの勢力」の撲滅と、新疆の経済発展及び民族融合を促進する政策を「人権侵害」と中傷している。バイデン政権は台湾問題についても、「一つの中国」の約束をさらに形骸化させようとしている。南中国海の主権及び海洋権益の紛争は本来、中国とASEANの一部の当事国が対話と協議により完全に解決できる問題だが、今や域外国の米国は中国を「いじめっ子、拡大主義者、修正主義国」と繰り返し批判している。


 ウクライナ危機の本質は、冷戦終結後の最も危険な大国の代理戦争だ。ローマ教皇でさえこのほど公の場で、NATOが絶えずロシアに「ちょっかい」を出すことから、ロシアがウクライナに対する軍事行動を開始したと述べた。中米両国は本来ウクライナの衝突を早急に収束させるため協議を強化し、大国の外交の調整力と動員力を十分に発揮するべきだ。しかし残念ながら、米国側の喧伝と操作により、ウクライナの衝突は中米間の一般人の感情と世論の対立をさらにエスカレートさせ、中米関係の未来に新たな不確実性をもたらした。中米関係のさらなる悪化の回避を前にし、両国の政治家の見識と決断力がかつてないほど試されている。


 バイデン政権の現行の中国政策は米国でも絶えず疑問視され、批判を浴びている。米国のベテラン外交官はこのほど文書の中で、バイデン氏の中国政策が「中国脅威論」を誇張しており、対抗と協力の間でバランスを取る余地が欠けていると批判した。ブルッキングス研究所のライアン・ハース上級研究員も度々、米国の中国関連の戦略的競争は「競争的共存」に転じるべきだと述べた。さもなければ、米国の私利を立脚点とする中国への戦略的圧力とハイテクの制限は、中国の全力の対抗を引き起こし、国際社会が協力により初めて効果的に対応できる気候変動などの世界的な問題に実質的な害をもたらすというのだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月6日

 

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