ソロモン諸島と中国が先ほど協定を結び、中国が太平洋地域で拡張するという(西側の)極度の懸念を引き起こした。協定は懸念すべきだが、中国が太平洋の制海権争奪に本腰を入れるのは数十年後になる可能性が高い。これは間違いないことだ。米誌「フォーリン・ポリシー」が伝えた。
中国を巡る政治問題は、これらの島にとって不慣れなことではない。中国外交部長が5月にソロモン諸島を訪問した。これは太平洋島国の歴訪の一環であり、中国の同地域への重視を浮き彫りにした。大国の競争が確かに太平洋地域に持ち込まれたのだ。
中国の現地での利益を理解するためには、「3大列島線」を理解する必要がある。第一列島線は日本南部の島嶼から台湾地区を経由し南中国海まで延びる。第二列島線はグアム島を中心とし、第三列島線はハワイを貫く。中国は第三列島線まで勢力影響範囲を拡大するという長期目標を立てているが、これは数十年後のことだ。短期目標はよりありふれた内容かもしれない。つまり後方支援と軍事ルートを拡大し、海上輸送線と危機にさらされている中国公民を守ることだ。
中国は2017年にジブチで「支援施設」を完成させた。これは中国軍が初めて海外に基地を置いたことを意味する。これは中国による遠洋進出能力の構築、海洋分野の取り組みの強化と一致する。中国は2008年よりアデン湾で海賊取締任務を実施しており、2011−15年にかけてリビアとイエメンから公民を退避させた。海軍が「新重点」を強調するなか、中国は戦略文書に「近海防御、遠洋防衛」という新たな表現を加えた。
「近海防御」は、解放軍の第一列島線内での米軍への対処だ。中国は不利な地理的条件と周辺環境に悩まされている。中国の海洋環境が制限を受け、敵軍による危険な接近が可能になっている。そのため中国の防御は、干渉を阻み退けられる地域の構築にある。ところが中国の近海における米国による干渉の阻止と、遠洋における海軍封鎖への対処は別問題だ。
「遠洋防衛」の目標は、戦時中に遠く離れた海上輸送線の防御を積極的に講じることだ。これは中国にとって切実な需要だ。例えば中国が輸入する石油の約8割がマラッカ海峡を経由するため、いかなる中断であっても巨額の損失を生む。遠洋防衛にはさらに2つ目の利益、つまり中国公民及び海外資産の保護が含まれる。2011年のリビアからの公民退避、15年のイエメンからの公民退避は、中国公民及び資産の保護者としての解放軍の力が拡大中であることを示した。中国は、自国の海外における利益を守る上で他国は当てにならないと考えている。
中国の遠洋防衛の野心はまだ実現されていない。根本的に論じると、中国の軍事の重点は依然として第一列島線にある。大多数の潜在的な危機のうち、主な作戦は依然として近海防御の支援だ。遠洋防衛は現実よりも野心に近い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月15日