デトロイトで開催された自動車ショーに出席したバイデン米大統領は、米CBSテレビの番組「60ミニッツ」のインタビューに応じた。インタビュアーのスコット・ペリー氏の「新型コロナウイルス流行は終息したのか」という問いに対し、バイデン氏は「新型コロナウイルスはまだ存在し、米国政府は多くの作業を行う必要がある」としたうえで、「パンデミックは終わった」と答えた。
同番組が放送したバイデン氏のこの発言は世間の注目を集め、米国の主流メディアは批判、反対、不安を示した。
『ニューヨーク・タイムズ』は、バイデン氏の発言は強い反対を受けたと報道。米ミネソタ大学の疫学者オスターホルム博士は、新型コロナウイルスは今も米国で4番目に多い死因であり、過去28日間で当局は200万件の感染報告を受け、報告漏れも深刻だと指摘した。
米NBCは、バイデン氏がコロナ対策が不足している数百万人の米国人に「パンデミックは終わった」と発言したことは「軽率、危険なミスリード」であり、自動車ショーもこのような発言をする場所としてふさわしくないと批判した。
『ワシントン・ポスト』は「違う、バイデン大統領、パンデミックは終わっていない」という見出しの記事を掲載し、以下のように論じた。バイデン大統領の発言は中間選挙を控えているためかもしれないが、米国人は一種の圧倒的な疲労感を覚えている。新型コロナウイルスの流行は続いており、米国の7日間の新型コロナによる1日平均死者数は400人で、米国人の平均寿命も2020年から2年連続で低下し、この100年で最大の下げ幅となった。
新型コロナ感染歴のある人は、バイデン氏の発言に傷ついている。
ホフストラ大学報道学で教授をしていた76歳のグッドマン氏は妻と共に新型コロナウイルスに感染し、自身は持ち堪えたが妻を亡くした。バイデン氏の「パンデミックは終わった」という発言を受け、グッドマン氏は「自分にとってはまだ終わっていない」と涙ながらに話した。
現地時間19日、新型コロナ後遺症に悩む活動家カレラ氏らをはじめとするコロナ後遺症患者がホワイトハウスを訪れて抗議を行ったカレラ氏は、「新型コロナウイルスによる死亡や後遺症は、アフリカ系・ラテン系・原住民・低所得者に深刻な影響を与えた。私たちは、バイデン大統領がパンデミックを否定し、私たちを見放したことを忘れない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月22日