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大メコンに生きる(4)人々の保護神 熱帯雨林 |
発信時間: 2009-06-29 | チャイナネット |
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共通の憂い
「昔はこの季節になれば、竜竹、黄竹、毛竹などがどれもたくさんあったのに、今ではだんだん少なくなってしまった。……私たちは甘筍だけしか食べてなかったけれど、今では竜竹も食べるようになって。そのうち竜竹までなくなってしまうかもしれないわね」
熱帯雨林の存在は、人類が地球上で生まれ、生存するための基本条件の一つである。太陽の光、水源、穀物、食塩などと同様、人類に欠かせないものなのである。 メコン川流域の熱帯雨林は、植物天国であり、動物天国でもある。ある科学研究の資料によれば、ラオスの原始雨林に生息する生物の種類は非常に豊富で、すでに判明している鳥類だけで437種もいるという。ラオスの南部では、320以上も魚類がいるという。もし、世の中にいわゆるエデンの園が本当に存在するのなら、それはまさに熱帯雨林に違いない。 この百年来、近代化の発展に伴い、メコン川流域のゴム栽培面積は急激に拡大し、この地域に巨大な富をもたらした。原始林はほとんどがゴム林や畑となり、残った雨林は、生態の孤島となった。ゴム林は無制限に広がり、熱帯雨林の連続性が破壊された。ひたすらゴム林を発展させた結果、生態系のバランスが崩れてしまったのである。 ゴム林の発展は熱帯雨林に対する破壊だけではなく、そのものが「汚染」であった。樹液の収集は、ゴムの木の転化能力と土壌の生命力に依存したものであり、輸血と同様、血液が足りなくなったら、さらに多くの栄養を補わなければならない。研究によると、ゴムの木の栽培による土壌の浸食率は熱帯雨林の3倍であり、土地のもつ生産力の連続性に深刻な影響を及ぼす。土地の生産力が次第に失われてくると、人間はその土地を放棄し、新しい土地を開墾してさらにゴム林を栽培する。悪循環である。その結果、ゴムの木の生存に必要な気候や環境も、雨林がなくなるにつれて失われてゆく。
この先、カンムスオエンさんも付近の雨林を伐採し、ゴムの木を栽培することになるのだろうか? そうでもしない限り、彼は永遠に苦しい生活を続けることになる。村を後にし、車の中でそんなことを考えたが、祈るしかないと思った。 神様、どうか彼にご加護を。(文・写真=李暁山)0810
「人民中国」より 2009年6月29日 |
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