現時点で人類史上最大のロケットは米国が有人月面着陸に成功した「サターンV」。低軌道でのペイロード能力は119トン。
全国政治協商会議の梁小虹委員(中国航天科技集団公司中国運搬ロケット技術研究院党委員会書記)は3日、新華社の取材に対し、中国が世界最大のペイロード能力を誇るロケットの開発検証にとりかかったことを明らかにした。ペイロード能力は130トンで、現役のロケットの6倍。
梁氏によると、このロケットは巨大で、直径が現役のロケットの2倍もあり、今後計画されている有人月面着陸や深宇宙探査などの打ち上げへの貢献が期待されている。中国運搬ロケット技術研究院が開発任務を担っている。
大型ロケットの開発は、中国が宇宙開発戦略を実施する上で重要な措置であり、中国が大規模な深宇宙探査を実施する土台であるほか、中国のロケットのペイロード能力、自律制御能力を大幅に向上することで、宇宙開発における優位性をキープする柱となる。同プロジェクトによって宇宙開発技術のレベルが飛躍的に高まるだけでなく、基礎工業や科学技術、民間産業の技術の進歩や能力のアップグレードまで促進される。
世界の同型ロケットを追いかけている他の長征ロケットシリーズと違い、大型ロケットは米国とロシアも代表的なロケットの開発を進めている段階にあり、中国が大型ロケットの開発で宇宙開発強国とほぼ同じスタートを切り、競争を繰り広げることを意味する。
2.中国が開発中の「長征5号」の低軌道でのペイロード能力は約25トンだが、世界の既存の大型ロケットでは比較的高い水準にある。現役の「長征2E」や「長征2F」ロケットの低軌道でのペイロード能力は約9トン、開発中の改良型は13トン。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年3月4日