中国共産党第18期中央委員会第5回全体会議(五中全会)が29日に閉幕した。会議の公報(コミュニケ)は、今後5年間の中国経済・社会の発展の青写真を浮き彫りにし、改革推進のルートを明確にした。
・キーワード1 全面的な小康社会
会議では、2020年までに全面的に小康社会を建設し、次の100年間の奮闘の目標を実現し、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現するため、より堅固な基礎を固めるとされた。
国務院発展研究センター資源・環境政策研究所副所長の李佐軍氏は、「発展は中国の問題を解決する鍵だ。全面的な小康は発展のペースを重視するほか、発展の合理性と持続可能性を強調しなければならない。同時にこれは中国人全体の小康であり、貧困層を含む人々が社会発展の成果を広く実感できるようにする必要がある。これは国家統治理念の現代化の重大な推進だ」と指摘した。
・キーワード2 経済成長率
会議では、中高速の成長を維持するとされた。
経済学者は、2020年のGDPを2010年より倍増させるという目標を実現するため、中国の第13次五カ年計画期間(2016−20年)の年平均成長率を6.5%としなければならないと推算した。開発途上国である中国にとって、適度な経済成長率は全面的な小康および社会の安定を実現する重要な支えになる。同時にGDPを含む経済・社会の発展に関する指標の統一的な計画で、政府の知恵が試されることになる。
・キーワード3 革新と発展
会議では、革新を国家発展の全局面の重要な位置に据え、理論・制度・科学技術・文化など各方面の革新を推進し続けるとされた。
国家情報センター専門家委員会主任の寧家駿氏ら専門家は、「第13次五カ年計画期間、インターネット+、通信、高速鉄道、宇宙事業などハイエンド製造業とハイテク産業の高度発展により、中国経済のモデルチェンジ・アップグレードは量から質に変化し、産業計画から市場の力を発揮する新たな段階に入る」と判断した。
・キーワード4 調和的発展
会議では、都市部と農村部の調和的発展を重点的に促進し、経済・社会の調和的発展を促進し、新型工業化・情報化・都市化・農業現代化の同時発展を促進し、国家のハードパワーを強化すると同時にソフトパワーを向上させるとされた。
国家行政学院政策決定諮問部副主任の王小広氏は、「過去の調和なき発展は、地域、都市部・農村部、人々の格差を生み、さまざまな社会の矛盾を形成した。将来的には経済・社会の各方面の発展の全体的な推進、特に工業と農業、都市部と農村部、経済と文化といった各方面の調和的発展をより重視することで、中国をソフト・ハードパワーを兼ね備えた大国に向け邁進させるべきだ」と説明した。
・キーワード5 グリーン発展
会議では、資源節約と環境保護の基本的な国策を貫き、持続可能な発展を貫き、美しい中国の建設を推進するとされた。
生態文明の建設は、中国の現代化建設における弱い分野だ。中国共産党第18回全国代表大会は、生態文明の建設を重要な地位に据えるよう求めた。生態文明の建設は現在、クリーンエネルギーの生産と消費方法の変化を必要としてる。段階ごとに、計画的に生態文明の建設を進めることが非常に必要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年10月30日