文=日本問題コラムニスト 陳言
地震が発生した時に会議中の菅直人首相(11日)
草の根出身の菅直人首相が政権を握ってから半年、千年に一度といわれる地震と津波、そして史上前例のない原発事故が発生してしまった。
自然災害と原発事故が同時に発生するという千年に一度の災害が、政権を執ってわずか2年の民主党と首相になって1年に満たない菅直人に襲いかかった。これを処理するのは想像を絶する難しさだといえる。したがって、自民党はこの機会を利用して民主党を攻撃すべきではない。
民主党政権、菅直人内閣は今回の一連の災害をうまく処理できるのか?大和民族の誇りを持ってするならば、日本が危機を克服し、困難に打ち勝つと信じるべきだろう。
読売新聞は3月15日、菅直人は政治指導力を見せつけるため、事故の起きた原発を管理する東京電力の職員に対し、「会見を開くのが遅い」「国民に説明するタイミングを間違っている」などとまくし立てたと報道した。
政治家としての魅力や執政能力からみると、菅直人首相の評価できる点は多い、しかし、現在は政治家としての能力を評価する時ではない。11日に大地震が発生した後、自民党はすぐさま、政治闘争を一時休止し、全面的に民主党に協力すると発表した。菅直人もすべての野党党首に対し、一切の情報を共有し、野党と協力していくと表明した。
日本の大多数のメディアは現在、震災救援活動を第一に報道しており、菅直人の外国人献金問題については追求しなくなった。日本社会の秩序が混乱せず、人々が冷静に震災と原発事故に対応しているのも、政府、専門家、メディアを信頼しているからこそである。
メディアが政府への監督をすることは必要であるが、これまで民主党政権を批判してきたからといって、このような時期に菅直人政権への不信任を流布すれば、それもまた問題である。日本国民が民主党と菅直人を信じるのは、現在の政治が最新の救済手段を採用しているからである。